「ミケランジェロ・プロジェクト」

第二次世界大戦中の実話をもとにした映画だ。

第二次世界大戦時、ナチス軍はフューラー美術館創設のためヨーロッパ中の美術品を根こそぎ奪い去っていた。
さらに教会への爆撃も行っていたため、収蔵された美術品の消失も相次いでいた。
この事実を危惧したハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、アメリカ政府に美術品を救済するように働きかける。
しかし戦線が拡大して実際に動ける若者はいない。
ストークスは政府から命を受け、全米から美術の専門家をリクルートして「モニュメント・メン」を結成、自ら戦場に向かう事にした。

D-DAY後、ストークスたちはノルマンディーに上陸する。
すでに体制は決しナチス軍は敗走を始めていたが、その際に建物や美術品の破壊も行っていた。
早く美術品を回収しなければ、すべて破壊されてしまう恐れもある。
だが、ナチスが強奪した美術品をどこに隠したかがハッキリとわからない。
ストークスはグレンジャー(マット・デイモン)に部隊から離れ、自分の友人の国立美術館長から美術品の在り処の手掛かりを聞いてくるように命じる。
グレンジャーは美術館長から、かつて美術品の収集を行っていたナチス軍の秘書として働いていたシモーヌ(ケイト・ブランシェット)なら、美術品の隠し場所を知っているかもしれないと聞き、パリに飛ぶ。
グレンジャーはシモーヌと会うものの、彼女は警戒心をむき出しにしている。
ユダヤ人として迫害を受けていたシモーヌは、ドイツ人だけではなくアメリカ人も信用していなかったのだ。

一方ストークスたちは、別ルートで美術品がジーゲンにある事を突きとめる。
さっそくジーゲンに向かうものの、何人かの犠牲者が出てしまった。
そこでストークスたちは、自分たちが戦争中の軍人である事を再認識させられる。

「ミケランジェロ・プロジェクト」という邦題から、もっとルパン三世やMIシリーズのような華麗な争奪戦の映画かと勘違いしていた。
原題は「The Monuments Men」で史実に基づいているのだから、地味な展開は当たり前で、それでも内容的には十分満足した。

特に、敗走するナチス軍の破壊に加え、ソ連軍の進行により、やはり美術品が押さえられてしまうという危機感の描き方が巧い。
また、ユダヤ人のシモーヌの苦しみと矜持、そしてモニュメント・メンが、単純な美術品の回収ではなく個人を含めた元の持ち主への返還を目的としている点にも共感した。

唯一の欠点は、モニュメント・メンの各メンバーのバックグラウンドが分かりづらかった事。
全体の時間の関係もあるのだろうが、ストークスのリクルートシーンがかなり掛け足だったため誰が誰やら冒頭部分ではよくわからなかった。
なので、一人ひとりへの思い入れがイマイチ薄くなってしまい、中盤まではあまりストーリーにのめり込めなかった。

とは言え、美術品には少し興味があり若干勉強もしているのだが、このモニュメント・メンの活躍も知らなかったし、彼の活躍によっても回収できなかった名画が数多くあると言う事も初めて知った。
知的好奇心を非常に満たしてくれる作品だった。


121.ミケランジェロ・プロジェクト


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