「劇場版 MOZU」

TVシリーズから続く作品の完結編だ。
Season1、2とも録画しておいてシルバーウィークに一気見し、先日放送されたスピンオフドラマも見ていたので詳細までほぼ記憶して観ることができた。

Season2で、妻の千尋(石田ゆり子)が変わるきっかけとなった「グラークα作戦」の真相を知った倉木だが、満たされることはなく失意の日々を送っていた。
ある日、東南アジアのペナム共和国の在日大使館にテロ集団が襲撃を掛ける。
さらに、車で退避しようとするペナムの関係者も襲われるのだが、その現場に倉木が遭遇し、テロ集団を撃退する。
倉木はそのまま現場を離れ、その後に駆け付けた明星(真木よう子)がペナムの関係者を救出する。
襲われた関係者は日本人とのハーフのエレナと、その母親のペナム人だった。
エレナは無事であったが知的障害者でもあり警察が保護しようとした。
しかし母親が外交特権で警察の保護を拒否、明星はやむなくこれまで捜査で何度も協力した元刑事の大杉(香川照之)に、エレナをかくまうように依頼した。

大杉はとある事情で警察をやめ、探偵事務所を開いていた。
別居中の妻には離婚を迫られ、中学生の娘は時折会ってはくれるものの、難しい年頃のためなかなか理解し合えずにいた。
エレナをかくまった大杉だが、知的障害があり言葉も通じないエレナともなかなかコミュニケーションが取れない。
そしてエレナの母親が病院で何者かに殺される。
大杉はエレナがかなり危険な集団に狙われていると思い、鳴宮(伊藤淳史)の交番にエレナの身を移した。
その直後、大杉の留守中に事務所にテロ集団のリーダー権藤(松坂桃李)が襲撃を掛けてくる。
たまたま事務所に居合わせた大杉の元同僚の刑事二人は瞬殺、やはり偶然居合わせた大杉の娘めぐみ(杉咲花)は拉致されてしまった。
大杉はすぐに倉木と連絡を取り、鳴宮の交番に向かう。
倉木は明星の身を案じて彼女のマンションに行くのだが、そこは荒らされた跡があり、浴室には倉木の娘が死んだ状況を表すかのような絵が描かれていた。
誰も知り得るはずがない娘の死の描写を見て、倉木は愕然とする。

その後、倉木と大杉が交番にいる時、明星の携帯から倉木の携帯に連絡が入る。
電話の向こうの男高柳(伊勢谷友介)は、明星とめぐみを無事に返してほしければ、エレナをペナムに連れてくるように告げた。
ペナムに居るダルマが、エレナと会いたがっていると言うのだ。

Season1から倉木の周りに見え隠れしたダルマの正体が、この完結編でやっとわかる。
映画としてはだいたい予想通りの展開で、結末もだいたい予想通りではあるのだが、スピーディーな展開と役者の気合いの入った演技で面白く見せてくれた。
シリーズ中、ずっとイカれた東の演技を見せてくれていた長谷川博己は今回も健在、この人の演技の幅の広さを再認識させられた。
さらに特筆すべきは、今回から登場した権藤役の松坂桃李だ。
権藤も、東同様に相当なイカれたキャラなのだが、松坂桃李が長谷川博己に負けず劣らずの演技を熱演している。
松坂桃李はこれまで優等生的な役が多かったが、この演技で一皮剥けたと言っていいだろう。

ちょっと不満なのが、新谷和彦の扱いか。
シリーズを通して池松壮亮が押し殺したいい演技をしており、今回もかなりいい感じのキャラでアクションシーンも素晴らしかったのだが、登場のさせ方が安っぽすぎた。
こんなご都合主義的な登場のために、Season2のラストであの消え方をさせたのかと思うとちょっとガッカリした。
だったらあそこで潔く死んでしまっていた方が、シリーズ全体として新谷和彦および宏美の価値が高まったと思う。

ダルマの扱いもかなり雑だ。
最初からここまで引っ張っておいて、結局は日本最大のフィクサーという安っぽい設定、しかもセリフだけの説明で、実際にどんなスゴイ事をしてきたかは具体的には語られない。
実際のダルマの痣の位置が、人々記憶の中の位置と左右異なっていた理由は説明があったが、なぜ左右異なって記憶されてしまったのかの説明もなかった。
そもそも、なぜダルマを人々の記憶に埋め込む必要があったのかもよくわからない。

長かったシリーズのラスト作品なので、ファンの間でこの結末に賛否両論出るだろう。
ただ個人的には、羽住英一郎らしい映像の迫力で押し切る作品であったので、これはこれで、まぁアリなんじゃないかと思った。

120.劇場版 MOZU


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by ksato1 | 2015-11-09 06:07 | 映画 | Comments(0)