「心が叫びたがってるんだ。」

「あの花」の制作スタッフによる最新作。
舞台は同じく秩父だが、「あの花」のストーリーとはまったく関係がない。
とは言え、原作者が「超平和バスターズ」になっているところに、スタッフのこだわりを感じる。

成瀬順は、幼いころに自分のおしゃべりが原因で両親が離婚してしまう。
その事に深く傷付いた順は、「玉子の妖精」との約束で言葉を封印してしまう。
封印を破ると順の中の白身と黄身がドロドロに混ざってしまい、海の底に沈められてしまうのだ。
順は高校生になっても、玉子の妖精との約束を頑なに守っており、人前ではほとんどしゃべれずにいた。

順の通う高校では、晩秋に地域住民との触れ合い交流会が開催されていた。
各学年1クラスが代表で何かを演じるのだが、そのとりまとめの委員として、順、坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月の4人が選ばれた。
田崎大樹は野球部期待のエースだったが、肘を壊して夏以降練習にも参加できていない。
仁藤菜月はチアリーダー部の部長、坂上拓実とは同じ中学出身で、中学時代二人は付き合っていた。
しかし今は同じクラスと言う意外まったく接点がない。
坂上拓実は父が音楽家という事もあり、ピアノを嗜み高校ではDTM部に所属し、音のサンプリングを楽しんでいた。
バラバラの高校生活を送っていた4人は最初はまとまりもなく、交流会に向けての話し合いも一向に進まなかった。
しかし、あるきっかけから交流会でミュージカルを上演することが決まり、少しずつ4人は距離を近づけて行く。
クラスメートたちも渋々ではあるが協力しはじめ、ミュージカルに向けての準備も万端整っていた。
だが交流会前日、順は想いを寄せている拓実が、中学時代からずっと変わらず菜月の事を好きだったことを知ってしまう。
そして交流会当日、順は学校に来るものの、姿を消してしまった。

「あの花」同様、主要な登場人物が青春のホンネとタテマエをぶちまける作品である。
ただ、2時間の長さで4人のホンネとタテマエを表現しなければならないので、TVシリーズだった「あの花」に比べるとやや物足りない部分も感じる。
順の心の傷はかなり深いが、拓実を含め、大樹、菜月の3人のバックグラウンドの描き方がやや少ない。
とは言え青春ストーリーとしては、イマドキの高校生菜月の学校生活をよく反映していると思う。
「あの花」と同じレベルを期待すると、ややガッカリしてしまうかもしれないが、この作品単体として評価するならば、きちんと作られた作品と言っていいだろう。


100.心が叫びたがってるんだ。



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by ksato1 | 2015-09-23 11:11 | 映画 | Comments(0)