「わたしに会うまでの1600キロ」

実話を元にして作られた作品だ。

シェリル・ストレイドは既婚者であったが、最愛の母の病死によるショックで、誰とでも寝るようになり果てはドラッグにまで手を染めてしまう。
夫のポールとは離婚、弟とも母の死後は音信不通になってしまったシェリルは、PCT(Pacific Crest Trail)走破に挑戦することを決意する。
アメリカの西海岸を、メキシコ国境からカナダ国境まで歩いて縦走するのがPCTだ。
その距離はおよそ1600キロ(1000マイル)である。

思いつきで参加したシェリルは、荷物のパッキングからしてダメダメであった。
旅の途中で出会った地元の人々や、PCTの挑戦者から助けられ、なんとか旅人らしくなり少しずつ北上する。
その間、過酷な雪道や渓流の横断があり、さらに登山靴を無くすなど試練が次々と襲いかかってくる。
そのたびに、シェリルはこれまでの自分を思い出すのであった。

基本はロード・ムービーである。
実際に100日近くかけて1600キロを縦走する事で十分ドラマになるのだろうが、それを単純にダラダラ流すだけではなく、シェリルのこれまでの行動と心の葛藤を、映像として巧く織り込んでいる。
旅行中、シェリルは何かにつけ元夫のポールの愛情とやさしさを感じるのだが、ポールが今はもうシェリルとやり直すことを望んでいない事を知り、旅が終了した後には自立することを決意する。
しかし、どこで何をすればいいのか、考えがまとまらず不安ばかりが募る。
旅は過酷で早く終わってほしいと望む半面、旅の後でスタートする新生活がイメージできず、旅が終わることを恐れている自分もいた。
その描き方が巧みである。

長い旅の終わりに待っているのは感動的な風景などではなく、シェリルの心の成長だけだる。
画ヅラ的にはちょっと地味ではあるが、シェリルの旅の成長がきちんと描けており、見終わった後なんとも言えぬ清涼感が漂う。
シェリルがPCTの参加者ノートに書き続ける格言も、なかなか心に沁みる。


99.わたしに会うまでの1600キロ


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