「映画 みんな!エスパーだよ!」

TVシリーズも監督を務めた園子温による、愛すべきおバカ作品である。
今回はいい意味でも悪い意味でも、TVシリーズ以上に無茶苦茶で支離滅裂な作品になっている。

鴨川嘉郎(染谷将太)は東三河の高校生で、ある晩オナニーの最中に不思議な光を浴びてテレパシーの能力を持つようになった。
幼馴染の平野美由紀(池田エライザ)も同様の能力を持ち、近所の喫茶店のマスター輝さん(マキタスポーツ)はサイコキネシス(ただしエロを感じさせるものしか動かせない)、高校の先輩榎本(深水元基)はテレポーテーション(ただし体しか移動できないので移動先では素っ裸)、同級生の矢部(柾木玲弥)は透視能力を持つようになっていた。
みんな同じ夜にオナニーをしていたのだ。
その事を研究者の浅見(安田顕)に告げられたメンバーは、地球を護るべくエスパーの部隊を結成する(平野美由紀を除く)。

一方、東三河の街にはそれ以外にも不思議な事が起きており、街中の女性がみんなエロくなっていた。
特に、渡し船の船頭をしている神谷(冨手麻妙)は元々レズの気があり異常であったが、それに拍車がかかり街中の美しい女性を拉致し始める。
神谷に拉致された女性はあられもない姿で公民館を占拠し、ラブホテルの無料開放など無茶苦茶な要求をし始めた。

映画版は、TV版の続編ではなく新たに初めからスタートしている。
その結果、TV版に出演していたサイコメトラーの石崎(鈴之助)が出演していない。
また、浅見の娘紗英(真野恵里菜)も東三河への嫌悪感も少なく、かつあまりひねくれてないため一人浮いている事もない。
ただまあ、そんな事はあまり考えても仕方ない。
映画では、園子温が自分の描きたいことを自由奔放に描いている。
そういう意味では心地が良い。

しかしながら、映画として評価できるかと言えば、否だ。
そもそもがおバカ映画なので、ストーリーが陳腐なのは仕方ないかもしれない。
ただ、公会堂での戦いのあたりから、なんだかすごく映画自体が安っぽくなってくる。
特に、公会堂の舞台上で嘉郎、美由紀、紗英の3人が閉じ込められるシーンは、商業映画でこれがアリなのかと思うほどチープである。
園子温本人が描き割を描いたんじゃないかと思うほど、チープな舞台セットである。
園子温は無茶苦茶な映画でも、「地獄でなぜ悪い」という良作を作っているだけに、もう少しなんとかして欲しかったというのがホンネだ。

エロさと言う部分で言えば、そのものズバリを露出していないにも関わらず、かなりのエロさを醸し出している。
特に、TVシリーズから引き続き真野恵里菜にエロい演技をさせている点は評価したい。
セクシー系の女優でない真野恵里菜がきちんとエロい演技をしているので、セクシー系の女優もそれに負けじと思いっきりエロい演技をしている。
TVシリーズの夏帆に代わって、池田エライザをキャスティングしたのも良かった。
もう、夏帆はこういう映画には出ないだろうからね。

園子温は今年精力的に映画を制作しているが、本作を含めて「ラブ&ピース」以外の3作品は、ちょっと自由奔放に作り過ぎたかな、と言う感じがする。
どの作品にも真野恵里菜が出演していて、存在感を見せているのがせめてもの救いか。


92.映画 みんな!エスパーだよ!

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