「インサイド・ヘッド」

夏のディズニー配給作品で、制作はピクサー、制作総指揮はジョン・ラセターなのに、なぜか興行収入はイマイチのようだ。
予告編などを見ても作品的にやや地味な感じはしたが、実際に映画を観てその原因がよくわかった。
内容がかなり高度で、小さい子ども向けの作品ではないのだ。
実際、劇場に来ていた4~5歳の子どもは、映画の途中で飽きてしまっていた。

11歳の少女ライリーの頭の中にはヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの5つの感情が存在し、彼らがコントロールすることでライリーの行動も決まっていた。
ライリーの頭の中では毎日次々と感情の記憶が生まれ、それが玉となってコントロールセンターに転がってくる。
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの記憶だが、たいていヨロコビの記憶が多かった。
そして中でも、彼女の人生に影響を与える大切な5つの記憶は、他の記憶と別に大切に保管されている。
頭の中にはその他にも、家族、友情、ホッケー、正直、ひょうきんという5つの島があり、彼女の行動によりこの島も活発化していた。

ライリーは両親とミネソタに住んでいて、陽気な性格と地元のアイスホッケーチームの主力であったため人気者でもあったが、父親が独立するために家族でサンフランシスコに引っ越す事になる。
荷物を積んだトラックが到着しないなど、引っ越しのトラブルに巻き込まれたが、ヨロコビが上手くコントロールをしてライリーはポジティブだった。
だが、頭の中のカナシミが記憶に触れようとしたため、ライリーはネガティブになりかけてしまう。
カナシミが何かをするとライリーがネガティブになってしまうため、カナシミは頭の中でもいつもお荷物扱いであった。
さらに、カナシミが特別な記憶に触れようとした瞬間、ライリーの頭の中にトラブルが起き、ヨロコビとカナシミ、そして5つの大切な記憶が、コントロールセンターから外に排出されてしまう。
コントロールセンターに残ったのはイカリ、ムカムカ、ビビリの3人で、彼らがライリーをコントロールしなければならない。
ヨロコビとカナシミは5つの大切な記憶と一緒に、なんとかコントロールセンターに戻ろうと努力する。

物語の根源にあるのが、人の記憶と人格形成に与える影響である。
ライリーは小さい頃にいい思い出をたくさん作っているため、これまでの人格形成も非常にいい形で進んでいる。
ただ、このテーマはやはり子供には難し過ぎる。
そもそも小さな子どもにとっては、映画を観ている今まさにその時が、いい思い出を作っている時だ。
楽しい思い出をたくさん作ればその後にもいい事があると言われても、小さな子供は生きてきた時間がまだ短く楽しい思い出もこれから増やしていく過程なのだから、内容を理解できなくても仕方がない。
ライリーの潜在意識の中がテーマパークのようになっていて、その部分は子供でも楽しめるかもしれない。
しかし、子供向け映画の重要なテーマである、友情、努力、成功のうち、何が成功なのかがよくわからないため、努力と友情の部分にもピンとこなくなってしまう。

しかし、小学校高学年から高校生くらいであれば、なかなか面白く観られるテーマだと思う。
その一方で、登場キャラクターが小さい子供層を狙った設定になっている。
内容とキャラクターなどの見せ方が巧くマッチしていないため、かなり残念な作品になってしまった。

個人的には好きな作品ではあるが、日本ではほとんど評価されなくても仕方ないかな、という印象であった。


87.インサイド・ヘッド

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