「時をかける少女」×2作品

「バケモノの子」のパブとして細田守作品が3週連続で放送されたが、ズバリ言って見るべき作品は「時をかける少女」だけだ。
で、そのつながりとして深夜に1983年版の「時をかける少女」も放送された。
録画して両作品を改めて見る。

まず1983年版の「時をかける少女」。
ご存知、原田知世と高柳良一、そして尾美としのりによる不朽の名作である。
公開当初は原田知世と高柳良一のセリフ棒読みの演技に「駄作」と評価される事も多かったが、そもそもその棒読みは監督の大林宣彦からの指示であった。
そして音楽、アングル、光の色使いなどから、近年では名作と評価されている。
特に、和子が時間を遡る際のコマ送りのような演出は秀逸だ。

今回の放送では残念ながら、味わいのあるオープニングロールはカット、柱時計の針が和子に向かって飛んでくる印象的なシーンもカットされた。
それ以外にも冒頭の、授業シーン~実験室に掃除に向かうあたりもかなりカットされていたように思う。
しかし、逆に過去に放送された時にカットされたシーンがかなり復活していた。
今回の作品を見ると、すべて通した完全版をもう一度見たくなる。
全体の構成としても、SFと学園物をうまく組み合わせており、青春映画の金字塔と言えるだろう。

ちなみに高柳良一は都合5~6年くらいで俳優業を引退し、一時期角川書房で「月刊野生時代」の編集者をしていたが、その後ニッポン放送に転職して今は総務部長との事だ。
編集者時代に林真理子にかなりイジられいたのだが、それが理由で編集者に嫌気がさして転職したのではない事を、祈るばかりである。

続いて細田守のアニメ版「時をかける少女」。
1983年版に、勝るとも劣らぬ名作だ。

ちなみに、日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞が設定されたのが、2006年の第30回。
この年に受賞したのがこの「時をかける少女」である。
ほぼ同時期にジブリが「ゲド戦記」を公開していたが、こちらが受賞した。
おそらく上映館数で言えば文字通りケタ違いだったにも関わらず、だ。

主役の紺野真琴の声を演じたのは仲里依紗で、当時若干15歳、まだ長崎に住んで仕事のたびに上京していたころだ。
しかしアニメとは言え非凡な演技力を見せている。
特に、クライマックスの坂道を転げ落ちるシーンでの「止まれ、止まれ、止まれ、止まれ、止まれ」と叫ぶシーンや、ラスト近くで千昭との別れに泣くシーンは秀逸である。

テンポのいい脚本と演出も素晴らしい。
監督は周知の細田守で、脚本はあまりフィーチャリングされていないが奥寺佐渡子だ。
彼女は「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」でも脚本を担当しているが、この他にも「八日目の蝉」で日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞している。

さらに音楽も非常に良かった。
日常の緩やかな音楽と坂道を転がり落ちるシーンのメリハリ、そして主題歌と挿入歌に奥華子を選んだ部分もセンスを感じる。

これまで日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞は8作品が受賞しているが、個人的には「時をかける少女」と「鉄コン筋クリート」の2作品を高く評価したい。

今回1983年の実写版と2005年のアニメ版を見てどちらの作品も傑作である事を再認識したが、できれば仲里依紗が主演した2010年の実写版も一緒に見たかった。


73.時をかける少女(1983年版)(再)
74.時をかける少女(2006年版)(再)


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