「メイズ・ランナー」

主人公が目を覚ました時、彼は上昇するリフトの中にいた。
リフトが止まると上部が開き、数人の少年が覗きこんでいる。
主人公は記憶を消され、しばらくして自分の名前がトーマスという事だけ思い出す。

トーマスがやってきたのは高い塀に囲まれた広場で、同年代の少年が数十人いた。
リーダーのアルビーによると、皆記憶を消され、一人ずつ生活物資とともにこの場所に送りこまれているらしい。
少年たちはそこで畑を作り共同生活を送っていた。
トーマスはすぐに、高い塀に通路があることを発見する。
トーマスの直前にここにやってきたチャックによると、通路は昼間の間だけ開いていて、「ランナー」と呼ばれる脚の速いグループがその中の迷路を調査しているらしい。
通路は夜間には閉じ、その間に塀の外の迷路は毎日壁が稼働して前日と異なる迷路が作り上げられている。
そして夜間はその迷路をグリーダーと呼ばれる怪物が徘徊し、通路が閉じる前に広場に戻れなかった者は犠牲者となってしまう。

トーマスが広場に来た数日後、ベンと言う名のランナーがグリーダーに刺されてしまう。
昼間にグリーダーが出現したことを不思議に思ったアルビーと、ランナーのリーダーであるミンホが二人で調査に出かける。
夕刻ギリギリになって二人が通路の向こうに現れるが、アルビーは意識を失っており、彼を担いだミンホも戻れそうにない。
トーマスは思わず、閉じかける通路を走って二人を救出に向かった。
扉が閉じアルビーを安全な場所に隠しているうちに、トーマスとミンホはグリーダーの襲撃にあってしまう。

タイトルと予告編から想像していたのは、トラップが多数仕掛けられている迷路を少年たちが抜け出すストーリーかと思っていた。
しかし映画のテーマは、なぜ少年たちが迷路のある広場に閉じ込められたのか、という部分であった。
そして、原作が3部作という事で、この映画もおそらく原作の第1章の部分で終了している。

ただ、第1章という事を考慮に入れても、謎が多すぎてちょっとストーリーに入り込みづらい。
少年たちは記憶を消されているとは言うものの、トーマス以外の誰一人として、早く迷路の外に出たいという強い意志を持つ者がいない。
広場に閉じ込められている事に、あまりストレスを感じていないのだ。
例えば、かつてみんなで脱走を試みようとしたらグリーダーが大量に攻めてきて、少年の9割が殺されてしまった、と言うようなエピソードがあるならわかる。
しかしそういう気配もなく、逃げようと思えばいくらでも手段は考えられそうなのに、迷路の調査以外の方法を真剣に考えている者がいない。
木材を組み合わせてそこそこのやぐらを立てているのだから、塀の上部まで届くような梯子を作ろうと考える者がいてもおかしくないのに、そういう雰囲気もない。
少年たちに、広場に閉じ込められているという焦燥感も絶望感もまるで感じられない。
みんななんだか合宿でもしているかのように、ノンビリと過ごしている。
なので中盤まで、映画全体の緊迫感も今ひとつ、という感じである。
ひょっとしたら3部作全体の中でその理由も語れるのかもしれないが、少なくとも第1章ではその理由に触れられていなかった。

CGは作りこまれており、迷路のトラップも面白そうな感じではあった。
グリーダーはどこかで見たようなクリーチャーではあったが、安っぽさは感じなかった。
だから少年が迷路の中を疾走するシーンを、もうちょっと前面に押し出してもよかったんじゃないかと思う。

全体のストーリーのために謎をバラ撒いた感じで、次回作もそこそこ期待できそうな感じもするが、この先の展開を予測するための材料が少なすぎるので、どう予測していいかとまどってしまった。
原作は面白いのかもしれないが、映像化にあたっては作り込みがちょっと甘かったように感じる。
せめて、3年間閉じ込められている少年が髪の毛ボサボサくらいになっていれば、もうちょっと感情移入できたかもしれない。


48.メイズ・ランナー



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