「ジヌよさらば~かむろば村へ~」
ただ、そんな事はどうでもいいくらい面白い映画であった。
東京から村にやってきたタケ(松田龍平)はかつて銀行に勤めていたが、貸し付けた客の自殺を目の当たりにするなどが原因で、カネに対して強度のアレルギーを発症していた。
カネに触ると失神してしまうため、自給自足ができそうなかむろば村にやってきたのだ。
だが当然ながら、タケの考えは甘かった。
東北の山村は、春と言えども夜は暖房器具がないと暮らせないが、タケは何の備えもしていない。
田植えをするのに長靴も用意していない。
そんな甘っちょろい考えのタケを親切に支えてくれるのは、村長の与三郎(阿部サダヲ)だった。
与三郎とその妻亜希子(松たか子)に助けてもらい、なんとか村での生活を軌道に乗せるタケ。
そこに、お騒がせ女子高生の青葉(二階堂ふみ)がちょっかい出してきたり、与三郎の村長の座を巡る争いと与三郎自身の過去についてのエピソードが展開する。
一言で言って、松尾スズキワールド全開だ。
松田龍平は「探偵はBARにいる」と「まほろば軒」シリーズで、クールでややとぼけた役のイメージがべったり付いてしまった感もあったが、今回は大ボケ役でかなりいい味を出していた。
むしろ、クール役よりもこういう純朴で天然な青年の方が、よく似合っているようにも思える。
阿部サダヲと松たか子の夫婦役は「夢売るふたり」と同じ組み合わせだが、今回はまったく異なる夫婦を演じており、この二人の役者としての奥行きも感じさせられる。
もちろんこの二人以外も、大人計画と最近大人計画に近い役者ばかりが出演しているので、演技に関しては安心して観ていられた。
二階堂ふみのお騒がせぶりも期待通りだった。
松尾スズキだけに下品な部分も少なくないが、大人なら誰でも楽しめる作品だろう。
38.ジヌよさらば~かむろば村へ~
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