「ジュピター」

いつの間にかウォシャウスキー「姉」弟になっていた元ウォシャウスキー兄弟の作品だ。

ジュピター(ミラ・クニス)の両親は、旧ソ連でそこそこの生活を送っていた。
だがジュピターがまだ母のお腹にいたある日、両親の家に強盗が入り父は殺されてしまう。
ジュピターの母はそれから義理の姉以外は誰も信じない事にし、義姉とともに乗り込んだ、ソ連から亡命する船の上でジュピターを産んだ。
その後家族は親族を頼ってシカゴに定住し、ジュピターは母、伯母と一緒にハウスキーパーの仕事をしていた。
毎朝5時前に起きる生活をしていたジュピターに、一緒に暮らす従兄弟が卵子提供の話を持ちかける。
従兄弟はジュピターが卵子を提供するだけで、15000ドルの稼ぎになると言う。

一方宇宙の彼方では、バレム、カリーク、タイタスのアブラサクス家の3兄妹が、地球を巡り激しい争いを始めようとしていた。
地球は元々アブラサクス家を治めていた3人の母が所有していたが、母が謎の死を遂げた後は長兄のバレムが所有していた。
地球はアブラサクス家所有の財産の中でも、破格の価値を持つと言う。

この3人が、それぞれ自分の軍や傭兵使って地球に侵入してくる。
その目的はジュピターだった。

王家の権力闘争に何も知らない市井の一般人が巻き込まれるという設定は、はっきり言ってありきたりだ。
また傭兵と王女のラブストーリーも、良く言えば王道、悪く言えば新鮮味がない。
王家が地球を狙う理由に関しても、正直「今さら感」はぬぐえない。
だが、そこはウォシャウスキー姉弟、圧倒的な世界感とSFXで最初から最後まで押しまくってくれる。

序盤のシカゴの空戦シーンも、薄暮の時間帯にしている点にセンスを感じる。
太陽の光が少し残っている状態なので戦闘全体をきちんと映し出すことができ、それでいて戦闘機が発する光源が戦闘機のスピード感をより際立っている。
武器の破壊力は質感、宇宙空間でのSFXは、さすがウォシャウスキー姉弟の一言である。

とは言え、映像が素晴らしいだけにストーリーの古臭さは逆に際立ってしまう。
異星人の描き方、傭兵の裏切りなども、「STAR WARS」の焼き直しかと思ってしまった。
ズバリ言って、期待していたほどの作品ではなかった。
それでもB級映画として考えれば、かなり完成度の高い映画と言えるだろう。


34.ジュピター

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]
by ksato1 | 2015-04-16 07:14 | 映画 | Comments(0)