「かぐや姫の物語」(再)

惜しくも米アカデミー賞の受賞は逃したが、何度見ても完成度の高い作品である。

物語はほぼ「竹取物語」である。
昔話と異なる点は、かぐや姫が里山の村で約1年を過ごす事。
竹取の翁に竹藪で見つけられた姫は、あり得ないスピードで成長するのだが、その間里山の村にいる漆器制作の村人の子どもと交流する。
だが翁は姫を見つけた竹藪で、その後も金粒や美しい着物を発見する。
翁はその金や着物が、姫が高貴な方に嫁ぐために必要なものと考え、一人で都に行き準備をする。
姫は里山で楽しい日々を過ごしていたが、ある日翁と嫗に連れられ、村を後にして都に出る。

その後は昔話の「竹取物語」である
その美しさに公達が何人も「我が妻に」と押しかけるが、かぐや姫は難題をふっかけ追い返してしまう。
やがてかぐや姫の難題をインチキでクリアしようとする者や、無理をして命を落とす者も出てくる。
かぐや姫はその事を嘆き、この場から逃げ出したいと強く思う。
するとその思いは故郷の月に届き、月から迎えの使者が来てしまう。

この映画のスゴイところは、やはり水彩画のような色遣いである。
それは単純に和風を表現しているのではなく、色の濃淡で画面の奥行きを表現し、さらに色の鮮度、明るさで日本の春夏秋冬を適確に表現しているのだ。
夏のシーンでは色のコントラストを強くして太陽光線の強さを表現し、冬のシーンではコントラストが弱くなっている。
また線画の太さも巧妙で、子どもならでは手足の短さや、老人の顔の大きさ、厚みなどの表現方法も巧みである。
各所でそういったデフォルメを用いながらも、人の表情や動き、服のたわみなどの質感は非常に写実的。
一見、平面的でスタティックな絵柄のように見えるが、実は非常に計算された動きのある作画なのだ。

描画だけではなく、かぐや姫の名付けの宴の際のかぐや姫の暴走シーンや、クライマックス近くの捨丸との交流シーンは幻想のようで、映画としてのファンタジックな部分もきちんと取り入れられている。
映画を総合芸術と考えるならば、この映画こそ芸術性の高い映画と言えるだろう。

宮崎駿の鮮やかな色彩の映画もいいが、こういう作品もジャパニメーションとして評価されるべきである。



22.かぐや姫の物語(再)


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by ksato1 | 2015-03-17 07:31 | 映画 | Comments(0)