「悼む人」

天童荒太が直木賞を受賞した作品だ。
さらに出演陣も豪華と言う事もありかなり期待して観に行ったのだが、正直ガッカリだった、と言うか意味が良くわからなかった。

坂築静人(高良健吾)は薬品会社に勤めるエリートであったが、親友の死がきっかけでまともな生活を送る事ができなくなり、全国の事件、事故の被害者の死を現地で悼む旅を続けていた。
そして静人は、ある事件の現場でフリーの雑誌記者の蒔野抗太郎(椎名桔平)と出会う。
蒔野はエログロネタを得意としており、斜に構えたヒトクセある人物だ。
事故現場で仰々しく死者を悼む静人を偽善者と思い、静人の身辺を取材しはじめる。

一方、静人は相変わらず質素な旅を続けていたのだが、ある事件現場で奈儀倖世(石田ゆり子)と出会う。
倖世の夫がその場所で殺されており、新聞でその記事を読んだ静人が悼みに来たのだが、実は夫を殺したのは倖世自身であった。
倖世は罪を償って刑期を終えた後、夫の死んだ場所を参っていたのだ。
見ず知らずの人を悼む旅を続ける静人に興味を持ち、倖世は静人に付いて旅を始める。
そして倖世は少しずつ静人に感化されて行く。

静人が死者を悼んでいるのは、死者が生きた証しとして誰かが死者の事を覚えておくことが、死者に対しての供養になると信じているからだ。
そのため巡回するかのように、何度も同じ場所に足を運び、機会があれば死者の事をいろいろな人にたずねていた。
そのあたりまではわかりやすいのだが、静人がどこを目指しているのかサッパリ見えてこない。
また、静人の両親、姉がそれぞれ結構な問題を抱えており、さらにそこに蒔野が絡んでくるため、物語がかなり散漫になってしまう。
静人と倖世の悼む旅と、それ以外の登場人物の話がリンクしてこないため、映画の主題である静人の悼む行為がぼやけてしまっている。

監督は堤幸彦。
この人はTVシリーズを作るのは巧いが、映画作品に付いては、「20世紀少年」「SPEC」など、風呂敷を広げ過ぎてたためなかった実績がある。
今回も、話を欲張って盛り込み過ぎてまとめきれなかったのかな、という印象だった。


11.悼む人


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by ksato1 | 2015-02-20 23:30 | 映画 | Comments(0)