「ドラフト・デイ」

NFLにはそれほど詳しくないのだが、この映画はちょっとひねくれたスポーツ好きにはたまらない映画である。

題材はNFLのドラフト会議。
MLB(野球)のワールドシリーズの視聴率が20%前後であるのに対し、スーパーボールの全米の視聴率が40%を超えていて、日本の紅白歌合戦なみの盛り上がりを見せている事は知っていたが、ドラフト会議までこれほど盛り上がるとは知らなかった。
だがそれもそのはず、その年のドラフト全体1位はたいてい学生の最優秀選手が指名され、その選手を獲得したチームはその後数年優勝争いをする事が多い。
ただし、年によっては最優秀選手が下位指名に回る事もある。
そのあたりの駆け引きが非常に面白いのだ。
そしてこの映画がどれだけ事実に近いのかはわからないが、NFLのチーム名はすべて実際に存在するチームである。

クリーブランド・ブラウンズのGMであるソニー・ウィーヴァー・JR(ケビン・コスナー)は悩んでいた。
ブラウンズの2014年のドラフト指名順位は全体の7位で、大方の予想ではかつて父親もブラウンズで活躍したレイ・ジェニングスを指名すると思われている。
だがジェニングスは暴行事件を起こした過去もある。
そして、ウィーヴァーは自分が招いたヘッドコーチとも上手く行っていなかった。
そもそもブラウンズはウィーヴァーの父が指揮を取っていたのだが、ウィーヴァーが父をクビにして現在のヘッドコーチを雇ったのだ。
にも関わらず、ヘッドコーチは頑固で自分のやり方を貫き通そうとする。
さらにドラフト当日、ウィーヴァー付き合っている彼女から妊娠したと告げられる。
彼女はブラウンズの顧問弁護士で、先週の調達資金のマネジメントを担当しており、ドラフト当日も重要な仕事担当する。
なのになぜ、こんな重要な日の朝にそんな大事な話をするのか。

悩み事が蓄積して行く中、ドラフト全体1位の指名権を持つシーホークスのGMから連絡が入る。
来年以降の2年間の1位指名権と引き換えに、今年の1位指名権を譲りたい、という申し出だった。
1位指名権を獲得すれば、スター選手のQBボー・キャラハンを指名できる。
その話を耳にしたオーナーからは、早速獲得の指示が舞い込んでくる。
しかしブラウンズにはウィーヴァーが信頼するQBがおり、ケガから復帰して調子を上げていた。
ドラフトまでの時間が刻々と過ぎて行く中、ウィーヴァーは決断を迫られていく。

非常にテンポがいい作品である。
NFLのドラフトと言う日本人には馴染みが薄い題材だけに、映画の前にポイントの解説が行われる。
ただその解説を見たとしても、そこそこスポーツに詳しい人でないとなかなか理解できない内容ではある。
とは言え、各都市に点在するチームのGMの交渉が電話になる事を考慮し、単純に画面を縦に2つに分けるだけではなく、その中で人物が自由に動くなど見せ方の工夫も面白かった。
難しい題材をできるだけわかりやすくしようと言う制作者の意図が、各所に埋め込まれている作品だ。

翌年以降の1位指名権の重みがイマイチよくわからないものの(今年ブラウンズがいい成績を残すと、来年のブラウンズの1位指名権は下位になってしまう)、ドラフトが始まってからの駆け引きも面白く、個人的には最初からぐいぐい引き込まれてしまった。
若干ネタバレになるが唯一欠点を上げるとすると、ドラフトの結果についてオーナーが怒りださなかった点にやや違和感を感じた。
かなりワンマンなキャラに描かれていただけに、あの結末なら激怒するんじゃないかと言う気もした。

とは言え、映画としてはなかなかまとまった佳作であった。
日本で評価されるかどうかはかなり微妙な感じであるが、個人的には評価したい作品だ。


136.ドラフト・デイ(番号振り間違えによる降番)


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by ksato1 | 2015-02-05 23:18 | 映画 | Comments(0)