「寄生獣」

原作はすべて読んだはずだがかなり忘れてしまった。
なので原作にどれだけ忠実だったか、記憶が定かではない。
しかし、映画単体としても十分見応えがある作品だった。
ちなみに明らかに違うのは、原作は寄生獣が宇宙から飛来していたのに対して、この映画では海から発生している点である。

泉新一(染谷将太)はどこにでもいるごく普通の高校生だった。
しかしある日、右手を寄生獣に乗っ取られてしまう。
右手に寄生した寄生獣はみるみる知性を身に付け、自らミギーと名乗り新一と会話をするようになった。
ミギーとの共生生活に戸惑う新一であったが、さらにそれ以上に衝撃的な事件に巻き込まれる。
人間を完全に乗っ取ったミギーの同種が、人間を捕食し始めていたのだ。
同種はミギーに、そんな中途半端な乗っ取りなら宿主から離脱して自分達と合流するよう誘う。
しかしミギーはその誘いを断り、同種を殺してしまう。

やがて、同種の中でも知性の高い田宮良子(深津絵里)が新一の高校に教師として乗り込んでくる。
田宮はやはり同種である島田秀雄(東出昌大)と警官のA(岩井秀人)を紹介する。
島田は生徒として巧く学校にもぐりこんでいたが、とある出来事から寄生獣であることが生徒にバレてしまい、大騒ぎになってしまう。
また警官Aは猜疑心が強く、新一とミギーが自分達の種族にいい影響を及ぼさないと判断し、新一たちを殺害しようと試みる。

少々ネタバレかもしれないが、この映画は前編で、後編はGWの公開だ。
とは言え、この前編だけでも十分楽しめる。
こういう「社会全体を襲う恐怖モノ」の場合、どうしても整合性が取れない部分が出てしまうのだが、違和感を感じる部分はほとんどなかった。
そして、寄生獣同士のバトルシーンは迫力満点だ。
監督が山崎貴だから当然とも思えるが、予想以上の出来栄えだった。
日常のシーンと寄生獣たちだけのシーンのメリハリもきちんと付けられており、「日常のすぐ裏側に迫る危機」と言う世界感がよく描かれていた。

キャスティングも見事だ。
クールなイメージの染谷将太はどちらかと言えば寄生獣側の方が似合うんじゃないかと思ったが、いきなりトラブルに見舞われてパニックになる演技も巧かった。
また、途中から寄生獣と同化するためにだんだん人間の心を失ってしまうのだが、その部分は染谷将太ならではクールさで表現されていた。
深津絵里のクールな演技、東出昌大の「作られた」ひょうひょうとした演技も見事だ。
新一の母に余貴美子を配した点も巧妙である。

今年の邦画は、「渇き。」「喰女」「TOKYO TRIBE」などこの手のエッジに寄った作品が多かったものの、ちょっと狙い過ぎて外してしまった作品ばかりだった。
その中ではこの「寄生獣」が一番いい出来だったんじゃないかと思う。


162.寄生獣


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by ksato1 | 2014-12-06 00:23 | 映画 | Comments(0)