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「ジゴロ・イン・ニューヨーク」

ジョン・タトゥーロが監督・脚本・主演の三役をこなした作品だ。
そして共演はウディ・アレン。
今年79歳を迎える御大はまだまだ健在であった。

マレー(ウディ・アレン)はブルックリンでユダヤ教の本を取り扱う書店を経営していた。
しかし祖父から続くこの書店も、経営不振でたたまなければならなくなった。
一方、友人のフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)も職を失って困っていた。
なんとか花屋のバイト見つけてはいたが、部屋代をマレーに借りてなんとか過ごす日々である。

そんな時、マレーは主治医のパーカー(シャロン・ストーン)から、パートナーとのレズプレイの際3Pに加わってくれる男を紹介してくれと頼まれる。
そこでマレーは、昔からモテモテ男だったフィオラヴァンテを紹介しようと考えた。
最初は渋るフィオラヴァンテだが、取りあえず試しにパーカーと会ってみると酷く気に入られてしまう。
さらにパーカーのパートナーにも気に入られるフィオラヴァンテ。
二人は開き直り、ポン引きと男娼のコンビとして商売を始める事にする。

味をしめたマレーは、知り合いのアヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)にも営業を始める。
だがアヴィガルはユダヤ教徒で、高名なラビの未亡人であった。
マレー自身もユダヤ教徒であるが、あまり厳格ではない宗派のためカネ目当てでアヴィガルを説得し、フィオラヴァンテの部屋にセラピーを受けさせに行く。
最初は商売としてアヴィガルに接していたフィオラヴァンテだが、次第に彼女のピュアな心に惹かれてしまう。

物語りの根幹はラブストーリーなのだが、レズプレイや男娼と言ったアクセントを加えてメリハリを付けている。
それでいながらウディ・アレンの巧妙なセリフ回しが痛快なので、エログロ感は少しもない。
ラストのオチもなかなかのものだ。

ただ、ユダヤ教と言う部分が日本人にはちょっとわかりづらい。
まず、ユダヤ教にそんなにたくさん宗派がある事がわからないし、戒律に違反するとどんな罰則を与えられるのかもわからない。
未亡人であるアヴィガルが恋に落ちる事は戒律違反だと言う事はわかるが、それがどれほど重大な違反なのかがイメージできないので、緊迫感もイマイチ伝わってこない。
ユダヤ教に詳しい人なら、二人が接近すればするほど、結末がどうなってしまうのかドキドキするのだろう。

とは言え、そういうユダヤ教に詳しくない人でも飽きないように、パーカーのくだりできちんとドキドキさせてくれる。
個人的にはなかなか好きな作品であった。


98.ジゴロ・イン・ニューヨーク

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by ksato1 | 2014-08-18 20:59 | 映画 | Comments(0)