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「トランセンデンス」

天才科学者ウィル(ジョニー・デップ)は、妻のエヴリン(レベッカ・ホール)とともに人工知能の開発を行っていた。
しかしもうすぐ実用段階というところで、人工知能に反対するテロ組織に襲われて瀕死の重傷を負う。
ウィルの死の際、エヴリンは夫婦の親友であったマックスの協力を得て、ウィルの知能を人工知能に移植する。
するとウィルは、インターネットを通じて知識を得て驚異の進化を遂げる。

観る前は、暴走する人工知能「ウィル」を人類が止めるSF作品かと思っていた。
だが実際には「ウィル」が暴走する直前に、人類が止めに入る構成になっている。
このあたりにちょっと違和感を感じた。

最近のSF作品であれば、人工知能がインターネットを通じてさまざまな監視カメラや交通システムに侵入し、自分を倒そうとする人類を妨害する、と言う展開が多かった。
ある意味、全知全能の「何でもアリ」の神に近い存在である。
だがこの作品では、ウィルは「何でもアリ」ではない。
電波を遮断する銅線の囲みの中であれば、ウィルの監視下から外れる。
ちょっと現実的なようでもあるが、SF作品としては中途半端な現実性でやや不完全燃焼な部分もある。
また一方で、有機物にも無機物にもなる万能ナノテクノロジーは、かなり非現実的だ。
いろいろな部分で、ややバランスが悪くなってしまっている。

愛とは何か、人間の存在意義は、と言う哲学的な部分まで踏み込んでしまっている点も、単純にSF作品として楽しめない要素になっているような気がする。

ジョニー・デップが主演なのに、ちょっと残念な作品になってしまった。


79.トランセンデンス

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by ksato1 | 2014-07-07 06:23 | 映画 | Comments(0)