「マダガスカル2」と「ゲド戦記」

昨日に続いて、年末年始にTV放送された2作品。

まず「マダガスカル2」。

「マダガスカル」と2週連続で放送されたのだが、「1」の方はすでに見ていたし、年末年始はそうでなくてもHDDがパンパンになるから「2」だけ録画して見る事にした。
しかし内容をザックリとしか覚えていなかったため、導入部分がどういう状況なのかよくわからなかった。

たしか、主人公のライオンのアレックスはN.Y.の動物園の人気者だったはずだが、何かの理由で仲間と一緒にアフリカに行く事になり、船が難破してマダガスカルにたどり着く。
そこで新たな生活が始まるのだが、4頭とも馴染めずにN.Y.に帰るべくいろいろと手を尽くす。
「1」はたしかこんな話だったと記憶しているが、ラストがどうなったかも記憶があやふやだった。

「2」ではN.Y.行きの飛行機が完成し、離陸するところから始まる。
しかし離陸に失敗、飛行機はサバンナのど真ん中に不時着する。
そしてそこはアレックスの生まれ故郷でもあった。
アレックスは元々群れのリーダーの子どもであり、リーダーの後継者が帰ってきたと大喜びで迎えられる。
しかし動物園で育ったアレックスは、群れのリーダーとなるべく掟を守る事ができずに両親とともに追放されてしまう。
一方その他の動物たちは、意外とサバンナの仲間に馴染んでいた。
群れを追放されてしまうアレックスとは大違いである。
アレックスは動物園の仲間とも意識のズレが生じ、窮地に立たされてしまう。

感想から言うと、いかにもアメリカ的なストーリーである。
N.Y.生まれのアレックスはライオンなのに、闘いよりもダンスの方が得意という部分もアメリカ的だ。
ただし、日本人に理解できないかと言うと、そうでもない。
シマウマのマーティのボケっぷりは楽しい。

家族で見るには悪くない作品だ。


続いて「ゲド戦記」。

再放送された際にネットで「『ゲド戦記』は駄作か?」と言うコラムがあった。
ズバリ言ってしまうと「駄作」である。

見返してみるとわかるのだが、詳細部分の雑さがかなり目立つ。
ファンタジーと言う見せ方ばかりが先行してしまい、時間経過、人の動きに整合性がない。
例えば、クモの手先であるウサギたちがテナーの家を襲い、ハイタカを誘い込むために彼女を拉致してしまう。
その時テルーは生垣に縛り付けられるのだが、だいぶ時間が経ったと思われる夕方近くに、いともあっさり縛られた縄を外してしまう。
それだけ簡単に外れるのに、なぜ夕方までの長い間生垣に縛られたままになっていたのか、まったく理解できない。
また、途中でアレンを追いかけてくるアレンの「光」が、なぜ「闇」に追いつけないのかもよくわからない。
アレンが「闇」に捕らわれて父を殺してしまった、という設定はわかるのだが、なぜ「闇」に捕らわれてしまったのか、きっかけが良く分からないため「光」が追いつけないと言う部分の説得力に欠ける。
父である国王に対するプレッシャーでジワジワ「闇」に捕らわれたとしても、「光」が追い出されるきっかけが何かあったんじゃないかと思う。

ジブリ作品はそういう、見ている時に具体的に認識しなくても、後から「そう言えば」と思う感覚的な詳細部分にもこだわった作品が多い。
「ゲド戦記」ではファンタジーの世界観ばかりに気を取られ、そういう映画として重要な詳細部分がおろそかになってしまったように思う。

また、この映画のどのシーンを見ても、「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」「もののけ姫」などこれまでのジブリ作品の、どこかで使われたようなシーンばかりが続く。
そのため既視感が強く、ファンタジー映画を見ているワクワク感があまりしないのである。

ハッキリ言って「ゲド戦記」は駄作である。
キャッチコピーの「父さえいなければ、生きられると思った。」から、これは宮崎悟朗から宮崎駿への挑戦である的な誤解をしている人もいるようだが、そもそもアレンが父を殺すというアイディアは、宮崎悟朗ではなくプロデューサーの鈴木敏夫が出した案である。
宮崎悟朗自身も、その事は否定している。

ただ、この作品が初監督作品である事を考えると、宮崎悟朗の監督としての手腕を否定することはできない。
実際2作目の「コクリコ坂から」は、なんとも言えない爽快感を感じる映画に仕上がっている。
淡々としたストーリーだけに好き嫌いはあると思うが、個人的には何度も見たい映画だ。

父である宮崎駿を超えるとか超えないとかそんなつまらない事にこだわらず、宮崎悟朗には自分が面白い、作りたいと思った作品を、こだわりながら作り続けて欲しい。
そうすればきっと、宮崎駿とは違った名作を世に送り出せるんじゃないかと思う。


20.マダガスカル2
21.ゲド戦記(再)


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by ksato1 | 2014-01-27 07:13 | 映画 | Comments(1)
Commented by 履歴書の書き方 at 2014-06-10 11:14 x
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!