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「永遠の0」

これもいい映画だった。
正直、所詮はジャニーズ映画だと思ってあまり期待していなかったのだが、予想以上にいい映画であった。
ただしLINE仲間のcoolshin氏やなほ氏によると、原作は映画の5倍くらい面白いそうである。
そうなると原作も読まずにはいられない、それくらい映画も面白かった。

佐伯健太郎(三浦春馬)と慶子(吹石一恵)の姉弟は、祖母の葬式の後で、戦死した自分達の本当の祖父である宮部久蔵(岡田准一)の事を調べ始める。
現在弁護士をしている祖父は、祖母の再婚相手で母の本当の父ではなかったのだ。

祖父の事を調べ始めた当初は、誰もが祖父を「ひきょう者」と言っていた。
誰よりも素晴らしい腕を持ちながらも、命を落とす可能性が高い乱戦になると、戦場から少し離れた上空に逃げてしまう。
何人もに同じ事を言われ健太郎はかなり凹んでしまうのだが、ある日暴力団の親分っぽい景浦(田中泯)に、「宮部久蔵をひきょう者と言うヤツに何も話す事はない」とすごまれてしまう。
さらにその後会った井崎(橋爪功)から、宮部久蔵がなぜ乱戦から逃げたのか、詳しい話を聞かされる。
その後に会った武田(山本學)からも、ひきょう者でない違った祖父像を聞く事ができた。

ズバリ言って、宮部久蔵は犬死を嫌った。
妻と生まれたばかりの娘のために、必ず生きて戦場から戻ると強く考えていた。
そして自分の周りの者にも、無駄死にせず無事に戦場から戻るべきだと教えていた。

そういう考え方は、もちろん戦場では懲罰の対象である。
しかし宮部久蔵は懲罰を恐れず、自分と部下が死なないような作戦を考えていた。
当時の軍隊に置いては、死なない作戦を実行する事はかなり勇気が必要である。
時には練習中に死んでしまった教え子の名誉を守り、上官から鉄拳制裁も受ける。
宮部久蔵は決してひきょう者などではなかったのだ。

そしてこれはちょっと前のNHKのドキュメンタリーで知ったのだが、すでにミッドウェイ海戦のあたりで、ゼロ戦は決して世界最強の戦闘機ではなくなっていたらしい。
ジュラルミンをできるだけ薄くして部品もできるだけ少なくし、機体の軽さで高速と長距離航行能力、さらには高速旋回力を誇っていたゼロ戦だが、太平洋戦争中盤から投入されたグラマンの最新鋭機には能力すべてで劣っていたため、次々と撃墜されてしまったらしい。
歴史上ではよく、ミッドウェイ開戦の失敗で空母を始めとした多くの艦船を失った事が痛手であったと言われているが、この段階で日本軍は制空権を失ってしまい、それが理由で戦局は大きく変わってしまったと言う。

映画では、そこまで詳しく描かれてはいない。
しかし末期の特攻隊も、ほとんど艦船にたどり着く事なく撃墜されたという部分はしっかり描かれている。

また、ゼロ戦の離着陸などのCGも素晴らしく、あたかも本当にゼロ戦が飛んでいるように見えた。
離着陸だけではなく、戦闘時のCGも迫力があった。
さすが山崎貴&白組である。

私が観た回は昼過ぎから始まる回だったが、劇場はほぼ満席、客層は私より上の人が多かったが、中には中学生くらいの子どもも見かけた。
そしてこの一杯になった老若男女の観客の、ほとんどが泣いていた。
私の左隣が中学生くらいの女の子、右隣は70歳くらいの男性だったが、どちらも映画の途中から鼻ズルズル状態だ。
二人ともあまりにすごいズルズル状態だったので、私自身は逆に無くタイミングを逸してしまった。
自分は泣かなかったが、正直映画が終わった後にこれだけ多くの人が泣いていたのはあまり記憶がない。
ただ、それだけ感動する映画である事は間違いない。

若い人にもぜひ観てもらいたい映画である。


3.永遠の0



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by ksato1 | 2014-01-08 07:37 | 映画 | Comments(0)