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「容疑者Xの献身」

そもそも初回のTVの「ガリレオ」シリーズも見てなかったので、映画版も興味はなかったので観ていなかった。
だが、映画の評判がかなりよく、そもそも原作も直木賞受賞作という事である。
この夏に映画第二弾も公開という事で、初回のテレビシリーズから全部見直した。

で、ご存知の通り、テレビシリーズはすべて物理学や化学がトリックの主題となっている。
まあ今回のシリーズはこじつけの部分も多かったけど、一応は物理学者湯川の科学的推理がストーリーの元になっていた。

だがこの映画では、湯川の絡み方が異なる。
容疑者Xとなる石神哲哉(堤真一)が湯川の友人であり、湯川が天才と認めた男である。
だから、物理学的なトリックは皆無となっている。

しかしそれでも面白かった。
とにかく、堤真一の押し殺した演技が抜群だ。
石神のこれまでの人生の屈託、挫折、絶望などが、セリフではなく所作や雰囲気で見事に表現されている。
そして湯川は、彼の人生には同情はしていないが、彼の才能が世間にまったく生かされていない事を残念に思っている。

花岡親子の境遇や、被害者となる富樫あたりの設定は、ハッキリ言ってありきたりである。
しかし一生懸命生きている母の靖子(松雪泰子)と、素直な娘美里(金澤美穂)の小さな幸せを守ろうとする演技も効いている。
こういう人情系のミステリーとは思っていなかったので、正直ラストシーンはかなり泣けてしまった。

この夏の新作はどういう展開かわからないが、ちょっと期待しようかなと思う。

37.容疑者Xの献身


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by ksato1 | 2013-07-12 21:25 | 映画 | Comments(0)