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オレ的2012年映画総括

毎年恒例、年が明けてから1週間経過したあたりでの、2012年のオレ的映画総括である。

まず本数で言うと、2012年は封切り作品が70本、TV放送を録画した物が38本、ギンレイが21本、試写会が1本だった。
本数的に言えば、TV放送の録画以外はすべて2011年比で減、特にギンレイは半分以下だ。
まあでも、2011年にかなりの勢いで封切り映画を見た結果、ギンレイではすでに見ちゃった映画の上映が多くなったことも原因なので、仕方ないと言えば仕方ないんだけどね。
でも、年間パスポート持っている割には本数が少なすぎたかな。

で、続いて作品の総括。
順位付けは、以下の通り。

1.ダークナイト ライジング
2.悪の教典
3.ヒミズ
4.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
5.アーティスト
6.ヘルタースケルター
7.ロボジー
8.シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム
9.ハンガー・ゲーム
10.リンカーン/秘密の書
11.カラスの親指
12.最強のふたり
13.宇宙人ポール
14.007 スカイフォール
15.アベンジャーズ
16.任侠ヘルパー
17.るろうに剣心
18.アルゴ
19.鍵泥棒のメソッド
20.BRAVE HEARTS 海猿
20.踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望


2012年は一言でまとめてしまうと、シリーズ物とか続編物が総じて良かった。
通常、こういう他の作品を観てないとわからない部分がある映画は、評価を下げるようにしている。
それでも、今年は単発物よりもシリーズ物に素晴らしい作品が多かった。
中でも「ダークナイト ライジング」はダントツで良かった。

バットマンって個人的にはあまり思い入れがなかったから前2作も見てなかったし、ましてやこれまでのバットマン・シリーズも全然見てなかった。
遠い昔、実写版でTV放送されたバットマンのイメージだけで、大して面白くなかった、というのが正直な印象だ。
なもので、今年の夏はクリストファー・ノーラン版の3部作の最後だから、まあイチオー観ておくか、程度の軽い感覚だったのだが、まず前2作を見てハマった。
ブルースの挫折と絶望、そしてバットマンとなった理由がキッチリと描かれており、かつそのストイックさにズブズブに引き込まれた。
まさにこれこそが「ヒーロー」である。
もちろん、脚本と演出のきめの細かさも忘れてはならない。
正義感を追及するとどうしても、ちょっと安っぽく見えてしまう部分が出てしまうが、このクリストファー・ノーラン版バットマン・シリーズにはそれがない。
理由は、ラーズ・アル・グールとかジョーカーとかベインなどの敵役が、究極の悪役として描かれているためである。
だから常に、ピンと張りつめた緊迫感が失われていないのだ。
そしてラストの「ダークナイト ライジング」は、その集大成と呼べる作品である。
世界観、画面から伝わる迫力、緊迫するストーリー展開、どれを取っても非の打ちどころがなかった。
最後までぶれないバットマンの正義感に、思わず涙がこぼれそうになったよ。
アン・ハサウェイのキャットウーマンにもシビれたしね。
クリストファー・ノーランの、バットマンへの愛情を強く感じた。

2位の「悪の教典」と3位の「ヒミズ」については、面白いと言っていいかどうかわからない。
特に前者はかなりカゲキな作品なので、評価は分かれるだろう。
ただストーリー展開、演出、役者の演技力など、映画としての完成度は高いと思う。
三池崇史は2010年の「十三人の刺客」、2011年の「一命」と、やはりカゲキな作品を撮っているがどれも完成度は高かった。
力量は評価されてしかるべきだろう。

「ヒミズ」は、染谷将太と二階堂ふみの演技力が素晴らしかった。
この二人は奇しくも「悪の教典」でも重要な役どころで出演しているが、若いながらに卓越した演技力を持っている。
染谷将太が、15歳にしてすべてをあきらめた厭世感を見事に演じ、それを無邪気に支えながら、実は影を併せ持った少女を二階堂ふみが演じた。
本当の絶望の先には何があるのか、何もできない、どうしようもない状態になったとき、仕方ないから希望でも持ってみるか、園子温が伝えたかった事が見事に表現されている。
園子温作品は、今年公開された「希望の国」をまだ観ていないのだが、こちらにも期待したい。

4位は「ヱヴァ:Q」だ。
ハッキリ言って、最初観た時は「こりゃ、ベスト20にも入らないな」と思ったが、いろいろと調べた後に3回目を観てから考えが変わった。
「ヱヴァ」シリーズの中でもこの作品は特に、ある程度事前知識がないとサッパリ内容がわからない。
だいたい上映が終わった後、観客はみんな「えっ、と・・・」状態で戸惑いを隠せないでいた。
前作の「破」からいきなり話が飛んでいるので、初見では誰も展開に付いていけないのだ。
だが、きちんと事前知識を入れたうえで観ると、シリーズ全体の深さがわかる。
特にまだ顕在化されていない人間関係の部分で、あちこちに伏線が貼られているのではないかと予感させる。
まあ、これでラストが「ちゃんちゃん」的な作品だと、今回高評価したのもなんだったんだ、ってなっちゃうんだけどね。
そうならない事を期待する部分も含めて4位である。

5位の「アーティスト」は説明不要だろう。
映画好きなら一度は観ておくべき作品だ。
制作者の映画に対する愛情が、スクリーンから伝わってくる。

6位の「ヘルタースケルター」は、沢尻エリカのおっぱいもさることながら、作品としてもなかなか良かったと思う。
蜷川実花特有の色遣いもよかったし、沢尻エリカと寺島しのぶの演技も素晴らしく、何かしらの賞を受賞しても決しておかしくない。

7位の「ロボジー」はあまり話題にならなかった。
矢口史靖の前作「ハッピーフライト」がイマサンだったからかもしれないけど、内容的には比べ物にならないくらい面白かった。
五十嵐信次郎ことミッキー・カーチスももちろん良かったけど、濱田岳が強烈に効いていた。

8位~10位までは、アクション系の洋画が並ぶ。
細かい説明はしないけど、どれも個人的にはかなり好きだ。
「シャーロック・ホームズ」と「ハンガー・ゲーム」は続編にも期待したい。
ロバート・ダウニーJr.には、「アイアンマン」だけじゃなくこっちも頑張ってほしいね。

11位の「カラスの親指」も、ほとんど話題になっていない。
2時間を大きく超える上映時間のため敬遠されたのかもしれないが、同じ阿部寛主演なら、私は「テルマエロマエ」よりこちらを評価したい。
村上ショージもいい演技してたしね。

12位の「最強のふたり」はスマッシュヒットだった。
全然期待しないで観に行ったけど、観終わった後は本当にいい気分にしてもらえた。

13位の「宇宙人ポール」は今年の2012年の封切り作品ではない。
ギンレイで観たのだが、これは本当に期待しないで観に行った大ヒットだった。
「期待より面白かった感」では、2012年第1位かもしれない。
かなり下品な部分もあるのだが、観終わった後いろいろな人にオススメし、誰からも好評をいただいた。
思いっきり笑ってスッキリしたい時に、オススメである。

14位の「007 スカイフォール」は完成度はかなり高かったけど、ちょっと大人向け過ぎた感もある。
オープニングのアクションがすごかっただけに、後半にももうちょっとあのテンションを入れて欲しかった。

15位の「アベンジャーズ」はまずまずだった。
いまだに「アイアンマン2」と「インクレティブル・ハルク」を見てないので、この2作品を見たらさらに評価は上がるかもしれない。

16位の「任侠ヘルパー」は、彦一のキャラに惹かれた。
こういうバカ正直な悪いヤツって、心から愛してしまう。
この作品もシリーズ化して欲しいものだ。

17位の「るろ剣」は、原作にあまり思い入れがなかったのが良かったのかもしれない。
ほとんど代役を使わなかったという佐藤健のアクションは、一度見ておく価値がある。

18位の「アルゴ」はかなり手に汗握った。
実話を元にしているのだが、日本人にはあまりなじみのない事件がベースになっているので、結末がよくわからなかったのも良かったのかもしれない。
完成度も高いので、どこかで見かけたときには押さえておきたい1本である。

19位の「鍵泥棒のメソッド」は、内田けんじ監督の割には今一つだったなぁ、という感想である。
あまりにも綺麗に作りすぎたためか、インパクトが小さかった。
そういう意味では西川美和の「夢売るふたり」も同じかな。
あちらはやや衝撃的な終わり方ではあるけど、出演者がみんな演技力があったために、「ああ、やっぱり」という感想で終わってしまった。
でも、どちらも面白かったんだけどね。
観る前の期待が大きすぎたのかもしれない。

ラストは同率で「BRAVE HEARTS 海猿」と「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」だ。
「海猿」は、おそらく2012年の興行収入ナンバーワンだが、それだけの出来ではあったと思う。
ハッキリ言って、東日本大震災前ならこういう評価にならなかったと思うし、そもそもこの映画は製作されなかったとも思う。
でも、そういう仮定で話をしても始まらない。
少なくともこの時代に上映され、多くの人が素直に感動し、「『海猿』面白かったよ」と口コミで広がった結果が2012年の興行収入ナンバーワンだったのだろう。
それを無理やり否定しても、意味がない。
ただ、好みとしては「踊る」の方が好きだったかもしれない。
シリーズ全体の集大成として、きちんと完結していた。
どっちを上にするかちょっと迷ったが、満足度と言う点では甲乙つけがたかったので、同率とした。

そのほかにも、かなりいい出来の映画は多かった。
11位以下は11本選んだけど、選ばれなかった作品を含めてほとんど差はない。
来年の今頃、もう一度2012年の映画を選び直したら、上位5作品以外は順位が大きく入れ替わりそうな感じだ。

それと、今年は「期待してたのにガッカリ」という映画も多かったので、参考として上げておきたい。


CUT
セイジ
戦火の馬
僕達急行 A列車で行こう
バトルシップ
捜査官X
バイオハザードV リトリビューション
009 RE:CYBORG
終の信託
伏 鉄砲娘の捕物帳


見た順番に並んでいるが、順位を付けるとしたら「009 RE:CYBORG」がダントツ1位だね。
これは観た事自体を後悔している。
「バイオハザード」も前作がよかっただけにガッカリだったなぁ。
よく見ると、10作品のうち2作品が西島秀俊が主演だ。
ちょっと役どころに恵まれなかった感があるかな。
「八重の桜」で期待だね。
by ksato1 | 2013-01-06 14:44 | 映画 | Comments(0)