人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「リンカーン/秘密の書」

アメリカ初代大統領のリンカーンは、実はバンパイア・ハンターだった。
実際にアメリカでそういう説があるのかどうかは知らないが、かなり面白い内容である。
バンパイア・ハンターなので当然、バンパイアをバンバン退治する。
だから残酷なシーンもあるのだが、単純に面白い作品と言えるだろう。

リンカーンは幼少の頃に母親を失っているが、その原因はバンパイアに血を吸われたことであった。
その事を決して忘れなかったリンカーンは、大人になってから母親を殺したバーツというバンパイを倒そうとするが、逆に殺されかけてしまう。
あわやのところでバンパイア・ハンターのヘンリーに救われ、彼にバンパイア・ハンターとしての技を教え込まれることになる。

と、ここまでは、ジャッキー・チェンのカンフー映画的な展開である。
あるいは、ツェペリに鍛えられたジョジョというところか。
ヒーローが師の教えを受け一人前になっていく流れである。
しかしここから、さらにストーリーは面白く展開していく。
途中までリンカーンはバンパイアたちをバンバン倒していくのだが、バンパイアの親玉アダムと師ヘンリーの因縁を知り、そして親友ジョンソンの救出をした後は、いったんバンパイア・ハンターの一線から退く。
そして奴隷解放運動のために、政治活動に注力する。
このあたりは、史実と実在の人物をうまく使って展開する。
そこから、南北戦争とバンパイアとの戦いがリンクして行くのだが、このリンクのさせ方も巧い。

そしてやはり特筆したいのはアクションシーンだ。
「ウォンテッド」のアクションシーンも驚嘆だったが、今回も素晴らしい仕上がりになっている。
アングル、スローの入れ方など、監督であるベクマンベトフはセンスの塊じゃないかと思う。
あるいは、「こんなの『マトリックス』の焼き直しじゃん」という人もいるかもしれない。
たしかにスロー時の動きと衝撃波の伝わり方は、「マトリックス」に似ているかもしれない。
しかしこれだけ迫力のある画面はたんなる焼き直しではなく、やはりこの監督だからこそなせる技と言えるだろう。
今回は3D上映で観に行ったのだが、久しぶりに3Dで観てよかったと思える作品だった。

展開的に続編を作るのは難しいと思うけど、ティム・バートン&ベクマンベトフのタッグで、この手の作品をバンバン作ってほしいものだ。


106.リンカーン/秘密の書
by ksato1 | 2012-11-15 18:59 | 映画 | Comments(0)