「重力ピエロ」(再)

伊坂幸太郎はこれまで7作映画化されている。
そのうち観たのは、中村義洋監督の3本とこの「重力ピエロ」だ。

自分は原作を読んだことはないのだが、だいたい世間一般では伊坂作品の映像化はどれもかなり難しいと言われている。
そのためなのか中村義洋作品も「アヒルと鴨のコインロッカー」がダントツに面白く、「ゴールデンスランバー」はまずまずで「フィッシュストーリー」はイマイチなのだが、この「重力ピエロ」は「アヒルと鴨のコインロッカー」並みに面白い。
なので、すでにHDDが一杯一杯になっているのだが、BSで放送されたので録画して見た。

ベースとなるのは「家族愛」である。
ただ、劇場で観た時の感想にも書いたが、伊坂幸太郎はこの作品の映像化にあたり、単なる「家族愛モノ」になってしまう事を危惧していたとのことだ。
だが、「家族愛」とミステリー部分をうまくマッチさせた事により、非常に完成度の高い作品に仕上がっている。

これも劇場で観た時の感想に書いたが、とにかく父親役の小日向文世が素晴らしい。
父親はまるで聖人君子のような人物で、彼のセリフすべてが金言であるのだが、それをまったく嫌味なく演じている。
風評など全然気にしない父親を中心にして、家族全員が自分たちの信じる通りに行動する「最強の家族」が出来上がっている。
そしてその「最強の家族」を見舞う不運をそれぞれが乗り越えようとするのだが、そこにミステリー部分を埋め込むバランスが巧みだ。
正直、「謎解き」と言う意味では簡単すぎて、途中で結末はほとんど読めてしまう。
だたそれでも、真面目で不器用な兄の泉水が取ろうとする行動にはハラハラさせられてしまう。

この映画、2009年のオレ的映画ランキングでは6位だったんだけど、映画賞はまったく受賞してないようだ。
だけど非常にいい作品だと思うけどね。
機会があったら観ておいて損はないと思う。


23.重力ピエロ(再)
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by ksato1 | 2012-02-26 15:14 | 映画 | Comments(0)