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「うさぎドロップ」

ちょっと前に観た作品。

松山ケンイチと芦田愛菜の感動作品、でも良くも悪くもあまり評判を聞かなかった。
そして近所のTOHOシネマズでは、およそ1カ月で上映が終了してしまった。
って事はあまり面白くないのかなと思いつつ、上映終了直前に観に行ったのだが、思ったほど悪くなかった。

親が死んで行き先のない子どもを預かるというのは、「マルモ」と同じ展開である。
そしてその子供は芦田愛菜。
「マルモ」的なベタな笑いと感動、かわいい子役を期待して観に行ったら、ちょっとガッカリかもしれない。

この作品では、一人きりとなったりんをダイキチが預かる事になる。
正確にはりんはダイキチの叔母にあたるのだが、祖父が死ぬまでその存在を隠して育てられたので、親戚縁者誰もこの子を引き取ろうと思わない。
施設に預ける話ばかりするオッサン、オバサンたちにイラだったダイキチは、自分がりんを預かると宣言してしまう。
そこからダイキチの奮闘が始まる。

「マルモ」ではマモルも奮闘するが、メインは疑似親子の愛情の物語である。
しかしこの映画のメインは、ダイキチの成長だ。
安請け合いして自ら苦境に立ってしまったダイキチだが、責任を投げだすような事はしない。
精一杯がんばって、りんとの生活を続ける。
途中、同じ保育園に通うコウキの母親に慰められると、それまで我慢していたものがあふれ出し、つい涙してしまったりする。
りんに感化されてどんどん成長するダイキチを、思わず応援してしまいたくなる映画だ。

ダイキチのモチベーションとなる憧れのモデルが偶然コウキの母親だったり、いくらりんがいるとは言えいきなりダイキチが出世コースから外れる道を選ぶなど、かなり無茶な展開も多い。
ラストに出てくるカズミの恋人なんて、もうとんでもない偶然としか言えない。
でも、松山ケンイチ扮するダイキチの一生懸命な姿が心地いい。
途中、高畑淳子演じる施設関係の杉山さんに、「今はかわいくても、病気もするし、傷つくし、反抗もする。それがすべて受け止められるの!」とダイキチが一喝されるシーンがある。
そこでダイキチの背筋がさらに伸びるのも、観ていて好感がもてた。

特に、一生懸命子育てしている若いお母さん、そしてお父さんにおススメしたい映画だ。


114.うさぎドロップ
by ksato1 | 2011-10-05 22:11 | 映画 | Comments(0)