「デンデラ」
監督は天願大介だ。
この50人のババァは、最低年齢が70歳と言う本当のババァ軍団だ。
70歳で姥捨てされたババァたちが密かに山に潜んでデンデラと言う名の村を作り、自活をして自分たちを捨てた村への復讐を企てている。
そして住人が50人となったとき、村への復讐を実行する予定だった。
しかしちょうど50人目が村に訪れたとき、子ども連れの熊がエサ不足でデンデラを襲った。
ここからババァ50人と、人食い熊の死闘が始まる。
村を襲うと言っても、村人はかつての家族である。
それを襲う事ができるのかなど、ババァたちの意見も必ずしも統一されているわけではない。
作品中では、最初にデンデラを立ち上げたメイの気持ちなど、捨てられたババァたちのさまざまな思いがこれでもかと表現される。
この部分が非常に巧いので、ババァがこれだけ動けるのかとか、そういう疑問がわく暇もない。
そして食い違う意見の中、熊に襲われデンデラは一つになる。
しかしそこはババァ、そう簡単に熊に太刀打ちできるわけもなく、見ていてハラハラする展開が続く。
どんどん減っていくデンデラの仲間。
そして最後の闘い。
とにかく勢いだけの映画である。
熊の動きの鈍さなどアラを探せばキリがなく、ラストも行きなり終わるのでエンドタイトルになった瞬間「えーっ?! これで終わりなの?」とつぶやいた人もいた。
しかし女優陣もズラりと実力者を揃えており、演技力とパワーでズンズンストーリーに引き込まれてしまう。
名作かどうかはなんとも判断できないが、浅丘ルリ子、草笛光子、倍賞美津子の演技は凄かった。
81.デンデラ