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お蔵出し開始

W杯も終わったんで、その間に観ていた映画のお蔵出しだ。

まず、W杯開始直後にギンレイで観た2本。

1本目は「ずっとあなたを愛してる」

15年の殺人の刑期を終え出所したジュリエットは、妹家族に迎えられる。
妹家族もベトナムから養女2人を迎えておりやや複雑な状況だ。
しかし最初はややぎこちなかった妹の旦那や娘との関係も、だんだん馴染んでくる。

妹が献身的に接する事により、自分は家族から疎まわれていたと思っていたジュリエットにも、やがて妹の気持ちが通じ周囲とすっかり打ち解ける。
そしてジュリエットは少しずつ社旗復帰を行うのだが、妹にまでどうしても心を開かない部分がある。

ストーリーは、このジュリエットの最後の心の「鍵」の部分を中心に展開する。

決して癒える事のない深い心の傷を負うジュリエット。
周囲の気遣いにより希望を見出すのだが、希望を見出す事によりその傷の痛みを忘れてしまいそうになる事に、戸惑いも覚える。
この心の揺れ具合もよく表現されている。

クライマックスまでは静かに流れる映画だが、悪くはない。
長年姉を思っていた妹にも、心が打たれる。


続いて「フローズン・リバー」

カナダとの国境沿いに住むレイは、新しいトレーラーハウスの代金を旦那に持ち逃げされてしまう。
15歳と5歳の息子を抱える彼女は日々の支払いもままならない生活の中で、モホーク族のライラと出会う。
背に腹は変えられず、まとまった金欲しさにライラと不法入国の手伝いを始めるレイ。
危ない場面もあったが仕事はうまく運び、最後の1回でトレーラーハウスの代金までまかなえる所まで来たが、そこで思わぬ事態に巻き込まれる。

とにかくストーリーの展開が巧い。
旦那の失踪からライラと出会うまで、そして最後の仕事に向かうまで。
伏線として張られたさまざまなエピソードが巧く紡がれ、すべてが最後に集約して行く。
モホーク族のしきたりなんかも、巧みに取り入れられている。

そして緊張と緩和のメリハリも完璧。
なんとか危機を脱したかとほっとした瞬間、次の危険が訪れる。
観ていてまったく飽きない。
5歳の次男のあどけなさと、15歳の長男の家族を思う気持ちの表現も巧いしね。

これはお勧めの作品だ。


43.ずっとあなたを愛してる
44.フローズン・リバー
by ksato1 | 2010-07-13 12:28 | 映画 | Comments(0)