上映している映画館も少なく、予想よりも早く上映回数も減ってしまった。
ひょっとすると、期待してより面白くないのかなとも思ったが、さらにあらず。
久しぶりに、誰にでも勧められる非常にいい映画と巡り会った。

1950年代に生まれたキャサリンは、幼少の頃から数学において天才的な能力を発揮し、黒人でありながら教師たちに勧められ飛び級で進学するほどの実力の持ち主であった。
しかし彼女が大人になった1960年代であっても、アメリカにはまだ人種差別が根強く残っていた。
それでもキャサリンはその優秀な頭脳を生かし、宇宙開発を行っているラングレー研究所に計算係として採用されていた。

ラングレー研究所内にも人種差別は存在した。
トイレは白人と有色人種に分かれているのは当たり前、計算係の仕事においてもセクションが東(白人)と西(有色人種)に分かれており、西の計算係は日によって担当する部署が異なり、まるで日雇い労働者のようであった。
キャサリンは、同じく理系において優秀な能力を持つメアリー、統括能力のあるドロシーと3人で研究所に通っていたが、それぞれ悩みがあった。
メアリーは彼女の能力を買っていた上司からエンジニアの講習を受けるように言われるが、研究所の規定でその講習を受けられるのは、白人のみが通える大学、もしくは高校で単位を取得しなければならなかった。
ドロシーは前任者が辞めた後、半年以上も西計算係で管理職と同等の仕事をしていたが、昇進の話はいっさいなかった。
キャサリンはロケット打ち上げ軌道を計算するセクションで計算の手伝いをすることになったが、そこでもエンジニアのポールから嫌がらせを受けて、数値が黒塗りの資料を渡され、検算するように言われる。

しかし、キャサリンの上司でプロジェクトの責任者ハリソンは、変わり者だが優秀な人材を認める人間であった。
そしてすぐにキャサリンの実力を見抜き、常に先を見抜いて計算する人材が必要なのだと彼女に告げた。
すぐにハリソンの期待に応えるキャサリン。
キャサリンの卓越した計算能力とセンスは、それまでソ連に後手後手だったアメリカの宇宙開発を躍進させるのだった。

この映画を誰にでも勧めたい理由は、キャサリンたちがどん底の状態からスタートし、自分たちの努力や能力で成功を手に入れるという映画だからだ。
少々ネタバレになってしまうが、最初が底辺からのスタートで、そこからは上がっていく一方だ。
だから終始安心して観ていられるのもいい。
キャサリンたちが変に卑屈にもならず、成功だけを喜んでいく姿も観ていて清々しい。
映画なのでもちろん脚色もあるのだろうが、脚本も素晴らしく、彼女たちの努力に周りが感化され、どんどん変化していく様子が小気味よく描かれている。
仕事だけではなく私生活も幸せになっていく点も、観ているこちらをハッピーにさせてくれる。
役者の演技も含めて、何から何まで完成度の高い映画である。

働く女性すべてに観てもらいたいし、中高生にも観てもらいたいとも思う。
だがあまり日本では話題になっていない。
その理由は「ドリーム」という地味なタイトルが原因なような気もするが、調べてみると邦題は当初「ドリーム 私たちのアポロ計画」だったのだが、「内容がアポロ計画ではなくマーキュリー計画だろう」という突込みが入り、「ドリーム」だけになってしまったとのこと。
本当にくだらない話である。
だったら、「ドリーム 私たちの宇宙計画」にすればよかっただけの話だ。

この映画を観た人は、この映画の良さを語り続けなければならない。
そして映画の内容とともに、かつて自分たちの能力と努力で人種差別に風穴を空け、宇宙開発にも大きく貢献した3人の黒人女性がいたことも、同時に語り継がなければならないだろう。
それだけの価値がある映画だ。


119.ドリーム


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新猿の惑星シリーズの最終章である。

前作後、シーザー率いる猿と残された人間の戦いは激化していた。
ある日米軍の部隊が森の奥の猿の居住区を急襲し、猿たちにかなり大きな犠牲が出てしまう。
そしてちょうどその夜、猿たちが安全に暮らせる場所の調査に出ていたシーザーの息子ブルーアイズが帰還した。
シーザーたちは早々に安住の地に旅立とうとするが、そこに軍を率いているマッククロウ大佐の部隊が闇に隠れて忍び込み、シーザーの妻とブルーアイズを殺害してしまう。
怒りに狂ったシーザーは、安住の地に旅立つ仲間と別れ、大佐への復讐のために一人で行動しようとする。
シーザーを案じたオランウータンのモーリス、チンパンジーのロケット、ゴリラのルカの3頭も、シーザーと一緒に行動することにした。

4頭は軍隊を探しているうちに、口がきけない少女と巡り合う。
少女を置き去りにすれば新でしてしまうと言うモーリスが言うため、シーザーは渋々少女を同行させることにする。
やがて軍隊のキャンプを発見、しかし大佐の姿は見当たらなかった。
軍で下働きをしていた裏切り者のウィンターから、大佐は北からの援軍と合流するために先に出発したことを聞いた4頭は、後続の軍を尾行して大佐の後を追うことにした。
するとシーザーたちは、軍の中に死亡者が発生し、その死亡者には少女と同じ症状が出ている事を発見する。

その後一行は、かつて動物園から逃げて1頭で暮らしていたバッドエイプと名乗るチンパンジーと遭遇する。
嫌がるバッドエイプを無理に説得し、シーザーは軍の合流先までバッドエイプに案内をさせた。
しかし合流地点が見える位置に到達したとき、シーザーたちは兵士に見つかり捕われてしまう。
そこには、安住の地へと旅立ったはずのシーザーの仲間たちも捕えられていた。

前作では、かなり派手に人間 vs 猿の戦いが描かれていた。
しかし本作では、人間 vs 猿の戦いは冒頭の戦闘シーンのみである。
今回の人間が、前作のように一般市民ではなく兵士のためか、全体を通して人間の方がかなり有利な立場に立っていて、猿は支配される側に描かれている。
その設定の中で、シリーズのスタートとなる1968年の「猿の惑星」につながるストーリーを展開している。

決まった結末へと収束していくためか、映画全体はやや小粒な印象を受ける。
すべてに整合性を付け、手堅くまとめている感が強い。
それでも、復讐心を抑えられない事で自分がコバと変わらないと悩むシーザーの心情も、よく描けている。
ただ、一つの作品としてはまとめられてはいるのだが、シリーズ全体の結末と考えるとやや物足りないような気もする。



118.猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)


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監督は「大鹿村騒動記」、「北のカナリアたち」の阪本順治。
両作品とも数々の映画賞を取っているが、個人的には今一つピンとこなかった。
その後の「人類資金」に至っては、原作を切り刻みすぎて何がなんだかよくわからなかった。
そして今回の「エルネスト」も、微妙な作品になってしまっていた。

1962年、キューバ政府の使節団として来日していたゲバラは、当初の予定をキャンセルして広島に向かい、平和記念公園で献花をして、平和記念資料館の見学や原爆病院を訪問した。
そして取材に来ていた新聞記者(永山絢斗)に、「なぜここまでされてアメリカに怒らないのか」と告げた。

その3年後、日系ボリビア人のフレディ・マエムラ(オダギリジョー)は、仲間と一緒に医学生としてキューバに留学していた。
だが入学して数日後にキューバ危機が発生、フレディたちも兵士として沿岸警備の任に就いた。
キューバ危機が去った後は大学に戻り、医学生として勉強を始めるフレディ。
友人は恋人を妊娠させて逃げるなどいかにも青春ストーリー的な学生時代を過ごしていたが、フレディは祖国を思って医学の道に勤しんでいた。

そんなある日、ボリビアで軍事クーデターが発生する。
祖国の未来を憂いたフレディは、周囲が止めるのを聞かずに反政府軍に身を投じることを決意した。
革命支援隊に志願をし、そこでゲバラから「エルネスト」と言う呼び名を与えられる。

ゲバラを題材にした映画は、メジャーな作品で言えばこれまで3本制作されている。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」、「チェ:28歳の革命」、「チェ:39歳 別れの手紙」である。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」は青春映画で、「チェ」2作品は革命時のゲバラを描き、戦闘シーンも多い作品だ。
今回の「エルネスト」の予告編を観た時には「チェ」2作品に近いのかと思ったが、戦闘シーンはほとんど描かれておらず、「モーターサイクル・ダイアリーズ」に近い内容であった。
監督自身も、「これは青春映画です」と言っているらしい。
だが、それこそがこの映画を微妙な作品にしてしまった要因でもある。

まず、ゲバラとマエムラの関係が想像していたほど深くない。
マエムラはゲバラに感化され行動を起こすのだが、ゲバラがどれだけマエムラを評価していたのかがほとんど描かれておらず、わかりづらい。
唯一それを思わせるシーンは予告編にもあった、ゲバラがマエムラに「憎しみから始まる戦いは勝てない」と言うシーンだけである。
マエムラを評価しているからこそ彼に言葉をかけたのだと思うが、映画を観ているだけでは、ゲバラがマエムラだけにこの言葉を向けたようにも思えない。
だからゲバラがマエムラに「エルネスト」という呼び名を与えるのも、なんだか唐突なように見えてしまう。

史実では、マエムラはもっとゲバラに評価され、いろいろな教えを受けていたのかもしれない。
しかしストーリーのほとんどはマエムラの心の葛藤シーンで、ゲバラとの強い師弟関係は描かれていない。
それゆえ、冒頭のゲバラの日本の訪問シーンも、ストーリーから浮き上がったように見えてしまっている。
私自身ゲバラが日本に来ていたことは知らなかったが、彼が来日していたことがこの映画の中で生きていない。
観客の関心を惹くためだけにゲバラを強引に組み入れた感が、非常に強く感じられた。

であるならば、中途半端にゲバラをフィーチャリングせず、「モーターサイクル・ダイアリーズ」ように、もっとマエムラのバックグラウンドや心の葛藤だけを掘り下げた方がよかったと思う。
映画を観る限り、マエムラはブルジョアジー特有の青臭い正義感をかなり強く持っている人物だったようだ。
そういう意味ではゲバラに非常に似た性格だったのかもしれない。
そしてその正義感自体は悪いことではないし、そういう人物がすべてを投げ打って祖国のために戦うという部分だけ掘り下げても、十分映画になり得たはずだ。
ゲバラをよく知らない人でも、作り方次第で十分マエムラの人生に感動しただろう。

無理にゲバラを捻じ込んだために、重要な部分が失われてしまったような気もする。
オダギリジョーの演技はよかっただけに、非常に残念な作品になってしまった。


117.エルネスト


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9月に放送された「天空の城ラピュタ」を録画して見る。
TVでの放送もすでに16回目だが、たぶんそのうち半分は録画をして見ている。
個人的には、宮崎駿作品は「カリオストロ」「ナウシカ」「ラピュタ」の初期3作品が群を抜いて面白いと思っている。

もう何回も見ている作品だが、今回見ていて気づいた点がある。
「ラピュタ」のストーリー展開は、ドラクエやFFに似ているのだ。

前半は、パズーが働く炭鉱の谷にシータが現れる。
谷の世界観は19世紀後半、産業革命後のヨーロッパの片田舎のようだ。
人々の格好も古めかしいし、ドーラが乗ってくるオートモービルも、クラシックカーの様相を呈している。
文化や技術的には、現在よりも以前の年代をイメージさせている。
そこで単線の機関車とオートモービルを使った、パズーとシータの逃走劇が描かれている。
唯一、シータを追ってきた装甲列車だけが、第二次大戦中のドイツの装甲車を連想させるが、それとて現代よりも前の時代のイメージだ。
その後二人は地下に逃れるが、つかまって要塞に連れて行かれる。
この要塞も石造りも、せいぜいが第二次大戦中の要塞といった外観である。

しかしパズーとドーラが邂逅してから、世界観は一変する。
フラップターやゴリアテという空想の乗り物が活躍し、とんでもない破壊力を持つロボット兵が登場する。
そして舞台は天空へと移る。
その後は、かつてのラピュタ王国の技術力をこれでもかと見せつけられる展開だ。

最後にドラクエをプレイしたのは、たぶん20年以上前だ。
そのためその時の記憶ではあるのだが、ドラクエやFFなどのRPGも、最初はヨーロッパ風ののどかな世界がスタート地点である。
そこから少しずつレベルアップして行動できるエリアが広がり、やがて天空などの伝説の空間へと展開していく。
この新しい空間が広がったとき、ワクワク感がマックスになる。

最初は身近な世界に感じさせておいて、途中から一気にギアをあげてワクワクさせるという部分で、「ラピュタ」とRPGはよく似ていると思う。
そして映画を見る者、ゲームをプレイする者は、そこで完全に物語の世界観に引きずり込まれてしまうのだ。
能力のあるクリエイターは表現するフィールドが異なっていても、「ワクワクさせる」方法をわかっているのだろう。

ところで何度も見ている「ラピュタ」だが、今回ちょっと整合性が取れないシーンを発見してしまった。
一つ目は、冒頭の炭鉱のシーンで、地下で採掘をしていた工夫たちが地上に戻ってきた直後。
パズーがエレベータを操作していたときには、地上には親方とパズーしかいないのだが、工夫たちが手押し車を押してエレベータから出てくると、研究者風の男が「どうだった?」と言いながら突然画面に登場する。
いったいこの男は、パズーがエレベータを上げている時にどこにいたのだろうか?

二つ目は、パズーとシータが単線の機関車に乗った後のシーン。
オートモービルで追いかけてくるドーラたちを「あいつらドーラ一家だ」と、機関車の運転士に説明する。
それ以前、シータがパズーに「あの人たち海賊なの」と説明するシーンがある。
逃げている途中でシータが「海賊のドーラ一家よ」と説明していた可能性もあるが、そもそもシータはドーラ一家に突然襲われた後、ドーラたちが誰だかわからないうちに飛行船から落下している。
この時代、海賊はドーラ一家しかいなくて、海賊=ドーラ一家の代名詞だった可能性もあるが、ちょっと違和感を感じた。

まあ、こんなこと考えながら「ラピュタ」を見ている自分に、一番違和感を感じるんだけど。



116.天空の城ラピュタ(再)


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過去3年連続でディープ産駒が勝っている秋華賞。
内回りと言えども、やはり京都はディープ産駒が中心かと思いきや、今年はやや重馬場になってしまった。
今年出走のディープ産駒は4頭。
この中で一番取捨選択に迷うのがファンディーナだ。

ファンディーナはデビュー後3戦すべてのレースで上り最速を記録。
付けた着差は合計15馬身3/4だ。
そして春は皐月賞に挑戦して一番人気。
しかし結果は7着でその後休養に入った。
皐月賞は7着とは言え勝ったアルアインとは0.5秒差、秋は一叩きされ、今回は狙ってみようかと思っていた。
しかし調教の動きが今一つな上、外枠に回ってしまった。
鞍上の岩田は昨日府中牝馬Sを見事に逃げ切っているものの、今回はやや不利な条件が揃ってしまったの無印とする。

では何を本命にするか。
一番人気はNHKマイルCの勝ち馬アエロリットだ。
アエロリットの場合、前走のクイーンSで古馬を退け見事に逃げ勝っている。
斤量差があったとは言え、古馬相手に自分でハイペースを刻んで逃げ切った事は高く評価できる。
今回は絶好の一番枠を引いており、カワキタエンカを前に行かせたとしても、好位置キープで有利にレースを運べるだろう。
週中の調教も見事な動きだった。
だが、クロフネ産駒はG1で1600mまでしか勝利がない。
クイーンSは1800mだったとはいえ、G1でここ一番で底力の差がでる可能性もある。

そこで本命にするのはリスグラシューだ。
この馬の全成績は2.3.2.1、唯一4着以下に沈んだのはオークスだが、この時は馬群をさばくのに手間取ってしまった。
前走のローズSも後方から脚を伸ばしたが、ラビットランに切れ負けした。
ただ、春先のチューリップ賞と桜花賞は、好位から抜け出す競馬もしている。
鞍上は京都得意の名手武豊、クラシック戦線で常に上位争いをしたこの馬が、最後のタイトルに一番近いと見た。

対抗はアエロリット。

三番手も人気どころだがディアドラだ。
紫苑Sから駒を進めてきた馬は、この3年で2勝、昨年はワンツーだった。
今年は勝ったディアドラだけが目立っていたためレース自体のレベルを問う声も多かったが、この馬自身、桜花賞6着、オークス4着と、春のクラシックでも善戦していた。
ハービンジャー産駒であり、渋った馬場も問題はないだろう。
主戦の岩田に逃げられた点は気になるが、代わりにルメールを確保できているので問題はないだろう。
前日発売はラビットランと並んで4番人気だったのだが、昼を過ぎてから一気に2番人気になっている点でもこの馬を軽視できない。

四番手はレーヌミノルにする。
桜花賞場も、オークスが13着でローズSが9着だった。
そのためか昼過ぎの人気は11番人気。
だが2400mだったオークスはともかく、休み明けのローズSは力負けとは思えない。
父ダイワメジャーも天皇賞秋を勝ち、有馬記念で2度3着に入っているように、京都内回り2000mなら十分勝負になる。
やや重の桜花賞を勝っているように、この馬も馬場が渋れば有利になる。

五番手はカワキタエンカ。
前走のローズSは自らハイペースを刻んで2着粘っており、一番強いレースをしていた。
ただ、その時の鞍上だった横山ノリはアエロリットに騎乗、主戦の和田もラビットランに騎乗している。
馬の能力は認めるものの、テン乗りの北村友に前走と同じ乗り方ができるかどうか微妙なので、評価を下げた。
最後はモズカッチャンとミリッサで迷った。
シンハライトの妹のミリッサは、前々走で中京のレコードタイムを叩き出している。
オークス2着のモズカッチャンも、重馬場が良さそうなハービンジャー産駒。
どちらも甲乙付けがたいが、モズカッチャンの前走7着は入れ込んでしまったことが原因。
2回目のコンビとなったデムーロが、巧く御せれば前走のようなことはないだろう。
今回はモズカッチャンを上に取る。

ラビットランは、ローズSを見た段階では本命にしようと思っていた。
しかしこの馬場で切れ味が封じられる可能性がある。
そもそも、ダートであまり結果が出なかったため芝を走らせたら快走した、という馬である。
やはりあの脚を生かすためには、パンパンの良馬場が必要と見た。
今回は直線が短いこともあり無印にする。
重馬場が得意そうなメイショウオワラだが、ここに入るとさすがに家賃が高そうなのでこの馬も無印。


◎リスグラシュー
〇アエロリット
▲ディアドラ
△レーヌミノル
×カワキタエンカ
×モズカッチャン


馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。


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原作は講談社の「good!アフタヌーン」に連載の人気作品だ。
監督は「踊る」シリーズの本広克行、役者陣も豪華な顔ぶれなので期待して観に行ったが、正直イマイチな感じだった。

死んでも生き返る亜人がアフリカで見つかってから、各国は亜人の研究を行うようになっていた。
日本ではこれまで2体が確認されていたが、研修医の永井圭(佐藤健)が交通事故死直後に蘇生したことで、3体目として確認された。
研究所に収容された永井は、過酷な人体実験を受けていた。
手足を切り取られた後「リセット」と称して絶命させられ、何度も生き返る。
亜人は死んでも生き返るものの、その時の痛みは常人と同様なので、地獄の苦しみを味わい続けていた。

そんな永井を救い出そうとしたのが佐藤(綾野剛)だ。
佐藤は日本で確認された最初の亜人で、佐藤自身も長い間人体実験を受けていた。
そして研究所を脱出した後、数年前に自分同様に人体実験を受けていた2体目の田中(城田優)を研究所から救出している。
今回も田中とともに永井を救い出しに来たのだ。

しかし永井は、長期間の人体実験により人を殺すことをなんとも思わなくなっていた佐藤に違和感を感じる。
救助される途中で永井を射撃し、生き残っていた警備員とともに脱出しようとした。
怒った佐藤は警備員もろとも永井を襲う。
警備員を助けることはできなかったが、永井はなんとか逃げ延びて山村に逃げ込んだ。

佐藤と田中は、今度は入院中の永井の妹の慧理子(浜辺美波)に狙いをつけた。
亜人管理委員会のトップ戸崎(玉山鉄二)は、永井と佐藤たちがともに行動していると思い、自分のボディガードの下村(川栄李奈)を慧理子に張り付かせることにした。
するとそこに田中が現れ、自分の分身を使って下村を襲撃する。
だが下村も亜人で、そこで分身同士の戦いが始まった。
騒ぎが大きくなったところで田中は身を引き、慧理子は一命を取り留める。
その後永井がひそかに病院に訪れ、自分が身を寄せていた山村の家に慧理子も連れ帰った。

佐藤と田中は、これまで厚生労働省が亜人に対して行っていた残虐な人体実験をネットで公開する。
当初世論は亜人擁護に動きかけたが、佐藤が日本に対して厚生労働省の解体を要求し、さらに厚生労働省のビルを破壊するという暴挙に出た。
亜人撃退に駆け付けたSAT30人を佐藤と田中は二人で殲滅、さらに日本に対し、東京を亜人自治区として開放するように要求した。
要求に応じない場合は、亜人を使って開発した毒ガスを散布すると宣言した佐藤を見て、世論も亜人がテロリストであると考え、政府は亜人対策部隊を編成することにした。

このニュースを見た永井は、佐藤を止めることができるのは自分しかいないと考える。
そして戸崎とコンタクトを取り、毒ガスを奪いに来た佐藤たちを捕獲しようと画策する。

原作と映画はかなり詳細が異なるようだが、映画を見た限りではかなり設定に破綻が生じている。
まず、亜人の生み出す「幽霊」と呼ばれる分身についてだ。
この分身は、JoJo」のスタンドに近いイメージである。
原作では、分身を生み出せるのは一部の亜人だけで、しかも1回に数十分だけ、回数も1日に2、3回が限度となっているらしい。
映画ではそれらの説明がほとんどない。
説明に近いのは、佐藤の「幽霊を連続で出せるのか」というセリフだけである。
そのため冒頭の永井救出の時から、佐藤と田中が銃器を持っている意味がわからない。
分身を使えば銃器など使わずに、簡単に永井を救出することができたはずだ。

そして一番意味がわからなくなってしまっているのが、亜人同士の戦いである。
亜人は絶命しても数秒で蘇生するので、銃器で撃たれても、ナイフで切り裂かれてもあまり意味がない。
亜人を沈黙させる唯一の方法は、強力な麻酔剤で眠らせる事だけだ。
亜人同士の戦闘シーンは何度もあるのだが、その際、麻酔剤を使っているのは政府側の永井と下村だけで、佐藤と田中は普通に殺傷しようとしている。
何度殺しても蘇生してしまうのだから、これでは戦いに決着がつかない。
佐藤と田中が、永井と下村を仲間にするために生け捕りしようとしているわけでもないので、戦闘シーンに迫力があっても「これってどう決着するの?」という疑問がわいてしまい、観ていて非常に違和感を感じた。

この設定以外についても若干矛盾点はあったが、全体を通してはまずまずのストーリーだったと思う。
人間に復讐するために常軌を大きく逸脱した佐藤や、佐藤にやや違和感を感じながら亜人として生きるには佐藤に従うしかないと割り切っている田中、そして過酷な人体実験を受けてもやはり人間を殺すことはできないと考える永井、この3人の心情がよく描かれている。
永井を医師の研修生という設定にしたのも、地味に説得感を増している。

それだけに、亜人という物語の軸となる設定について、もう少し詰めてほしかったと思った。


115.亜人



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「ワイルド・スピード」は最新作の「ICE BREAK」だけ観たので、シリーズ全体の面白さがよくわからなかった。
この「スクランブル」はかなり面白かったが、「ワイルド・スピード」に近い作品なのかもしれない。

アンドリュー(スコット・イーストウッド)とギャレット(フレディ・ソープ)は異母兄弟で、二人ともプレミアムカー専門の窃盗を行っていた。
運転技術もさることながら、車に関する歴史や知識も持ち合わせていた。

ある日二人は依頼により、世界に2台しかない1937年製のブガッティを盗み出す。
だが依頼人に車を引き渡そうとした瞬間、元の持ち主の襲撃にあってしまう。
元の持ち主はマルセイユを仕切るマフィアのモリエール。
二人は命を助けてもらう代わりに、敵対するドイツマフィアのクランプからフェラーリ250GTOを一週間以内に盗み出すことを約束させられてしまう。

二人には、もう一仲間のステファニー(アナ・デ・アルマス)がいた。
ステファニーはアンドリューの恋人だが、あまりにも危険なミッションのためアンドリューはステファニーの合流に難色を示す。
しかしステファニーは自分だけではなく、天才的スリのデビンまで仲間に引き入れてしまう。
さらに爆弾ヲタク、その他のドライバーたちが仲間に加わり、クランプから250GTOを盗み出す計画を立てる。

だがその間、アンドリューとギャレットたちはインターポールからもマークされていた。
ただでさえクランプは冷徹非情の男で、失敗すれば確実に殺されてしまう。
そのうえインターポールのマークも振り切られなければならず、チームは絶体絶命の状態になっていた。

アンドリューたちがなかなか作戦を前に進められないうちに約束の時間となってしまい、今度はステファニーがモリエールに拘束されてしまう。
モリエールは約束通り250GTOを盗み出せない場合は、ステファニーの顔を車のタイヤで削ると脅してきた。

冒頭のブガッティを盗むシーンから、アドレナリン全開のカーアクションである。
もちろん全編を通して流れるカーアクションシーンもこの映画の見所ではあるのだが、個人的にはこの映画の本当の見所はカーアクションというよりも、全体のストーリー展開だ。
ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、起承転結がきっちりと描かれており、かなり爽快なストーリーとなっている。
日本ではあまり話題になっていないが、カーアクション好きなら必ず押さえておきたい1本だ。

上映時間は94分と短め、饒舌な部分はなくスピーディーに展開して心地よい。
主演のスコット・イーストウッドをはじめ、悪役を含めたキャストもバッチリはまっている。
制作陣の名前はほとんど聞いたことがないが、非常にセンスを感じる作りで次回作にも期待したい。


114.スクランブル


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「スイス・アーミー・ナイフ」のように、サバイバルでいろいろと使える便利な男ということで、「スイス・アーミー・マン」と言うタイトルになっている。
かなりのおバカ映画かと思って期待して観に行ったが、思っていた内容とは異なっていた。

ハンク(ポール・ダノ)は航海中に遭難し、小さな無人島に流れ着いていた。
絶望して首をくくろうとした瞬間、波打ち際に人影を見かける。
慌てて駆け寄るものの、男(ダニエル・ラドクリフ)はすでに息絶えていた。
再び絶望して首をくくろうとするハンク。
しかしハンクの目の前で、死体は体内のガスを噴出しながら島を離れようとしていた。
おならのようにガスを噴出する死体に乗って、島を脱出するハンク。
そして二人は海岸に打ち上げあられた。

ハンクは死体を背負って海岸から森に進んだ。
そこで死体が水筒の代わりになる事を発見する。
さらに、体内からの空気の流れの関係で、死体がしゃべり始めた。
死体は自らを「メニー」と名乗った。

メニーはだんだんと、意志を持つような動きを始めた。
生前の記憶がないメニーに対し、ハンクはいろいろなことを教える。
ハンクはメニーを担いで、さらに森の中を進んだ。

メニーがアーミー・ナイフのように重宝する点については、なんの説明もない。
この部分は、非現実的な完全におバカ映画である。
個人的には、この部分を突き詰めて欲しかった。

しかしこの映画では、だんだんハンクがメニーの家庭教師のようになって行く。
自分の経験をメニーの経験のように教え込み、人生がいかに楽しいかを語るようになるのだ。
自殺を考えた人間が人生の素晴らしさを再認識するという点では、意味があるのかもしれない。
だが、メニーのためにハンクが映画館やバスの車内を再現するシーンはファンタジー色が強すぎて、おバカシーンとのメリハリになっていない。
非常に中途半端な感じになってしまっている。
ラスト近くでクマに襲われるシーンも、おバカシーンではなくかなりシリアスにまとめられているので、ちょっと引いてしまった。

ラストのまとめ方もありがちで、観終わった後に残るものはほとんどなかった。
ダニエル・ラドクリフの死体の演技だけが見所の映画であった。



113.スイス・アーミー・マン


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久しぶりのギンレイの2本。

まず「おとなの事情」。
これはかなりの「当たり作品」だった。

月食の夜、整形外科医のロッコとカウンセラーの妻エヴァは、ロッコの幼馴染を自宅に招待する。
タクシー運転手のコジモは結婚したばかりの若妻ビアンカを、弁護士事務所に勤めるレレは10年連れ添った妻カルロッタを連れてきたが、バツイチのペッペは一人でやってきた。
最近付き合いだした彼女を連れてくるはずだったのが、彼女が熱を出してしまったのだ。

ロッコとエヴァが料理を作りながら、会食は始まった。
そこで、食事中に携帯にかかってきた電話はすべて、みんなにも内容が聞こえるようにスピーカーフォンで対応、メールもすべて読み上げるというゲームが提案される。
ロッコは反対したが、その他のみんなが承諾したため、ゲームが始まってしまった。

ストーリーの90%以上が、ロッコとエヴァの自宅で繰り広げられる。
最初はみんな和やかに談笑しているのだが、携帯にかかってくる電話がいろいろな波紋を広げていく。
集まった7人のメンバーは、ビアンカを除けば全員40代で、ロッコとレレは夫婦生活が長い。
そうなるとだいたい、誰もが人に言えない秘密を抱えていたりする。
その秘密が、携帯にかかってきた電話やメールで少しずつ暴露されていくのだ。

しかも、この暴露の順番が秀逸。
最初はやや重要な問題であるものの、いきなり夫婦や友人の関係に亀裂が入るようなものではない。
しかし徐々にヘビーな秘密が明らかになっていき、その中には序盤のメールが大きな伏線になっていたりもする。
脚本の妙が生きた作品で、各映画賞の脚本賞も受賞しているらしい。
月食をキーワードに使った最後の落とし方も、なかなかシニカルでいい。
「大人」であれば一度は押さえておきたいおススメ作品だ。
時折こういう超掘り出し物作品が上映されるから、ギンレイを侮ることはできない。


続いて「午後8時の訪問者」。

女医のジェニーは、ある日小さな診療所で代理の診療を行っていた。
夜8時に診療所を閉め、次に勤務する病院の歓迎会に向かおうとしたとき、診療所の呼び鈴がなる。
対応しようとする研修医を「時間外」だからと言って止め、ジェニーはそのまま歓迎会に向かった。
すると翌日、警察がやってきて診療所の近くで少女の遺体が発見されたと告げる。
診療所の玄関の防犯カメラをチェックすると、そこには被害者の少女が映っていた。
もし昨夜ジェニーが診療所の扉を開けていたら、少女は犠牲にならなかったかもしれない。
罪悪感にかられたジェニーは新しい病院に勤めることをやめ、その診療所で勤務しながら少女の身元を探し始めた。

基本的にはサスペンスである。
ジェニーは警察官のように少女の身元を追い続け、やがてふとしたことから自分の患者が少女を知っていることがわかる。
そこからなんとか少女の身元を手繰ろうとするが、ジェニーが危険な目に遭ったりもする。

監督のダンデルヌ兄弟は、カンヌの常連でパルムドールも2度受賞しているらしい。
ただ、個人的には面白い作品とは思えなかった。
ジェニーが罪悪感にかられて行動すると言う部分はわかる。
だが一方で、警察だったらもっと簡単に少女の身元を判明することができたんじゃないかとも思う。
犠牲者の少女はアフリカ系で、あまり治安のよくない場所にいたらしい。
それゆえ、警察が事件を軽んじてまともに捜査をしていなかったのかもしれない。
そのあたりのフランスの事情がわからないためなんとも言えないが、ジェニーが一人で行動し続けることにかなり違和感を感じた。
またラストについても、盛り上がりに欠けちょっと淡泊すぎするように思えた。

1本目の「おとなの事情」が大当たりだっただけに、ちょっと落差にガッカリしてしまった。



111.おとなの事情
112.午後8時の訪問者



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リドリー・スコットが監督をしているのに、日本ではイマイチ盛り上がっていない。
原因は、だいたい想像できてしまう内容のため、観た後にそれほど満足感が得られないからかもしれない。

オープニングは、前作「プロメテウス」に登場したアンドロイドのデヴィットの誕生シーンだ。
デヴィットは自分の「創造主」はウェイランドだが、ウェイランドの「創造主」は誰かと尋ねる。
そして自分がウェイランドの「創造主」を探すと言った。

プロメテウス号が消息を絶ってから10年後、2014年に植民船コヴェナント号が移民先のオリガエ6を目指して飛行していた。
移民と乗組員は冷凍休眠しており、船をコントルールするのはアンドロイドのウォルターだった。
しかしある日突然、宇宙活動の衝撃波により宇宙船は大きな被害を受けてしまう。
故障の修繕の目途はたったものの、船長以下冷凍休眠中だった乗組員にも犠牲者が出てしまった。
生き残った乗組員が悲しみの中宇宙船を修繕しているとき、無線に謎の音声が割り込んできた。
それは近くの惑星から発信された信号で、明らかに地球の歌に聞こえた。
そして調査の結果、惑星は目的地のオリエガ6よりも地球に近い環境であることがわかった。
反対する者もいたが、船長代理のオラムの判断でその惑星を調査することにした。

調査隊は探査艇で惑星に降り立った。
メンバーは船長代理のオラム以下10名。
地表に降り立つとそこには麦が生えており、地球に酷似した環境だった。
しかし植物は生えているが、動物はまったく見当たらない。

調査隊は二班に分かれたが、オラムたちの隊は信号の発信源の宇宙船を発見する。
宇宙船は地球人が造ったものではなかった。
宇宙船の中には、かつてプロメテウス号の乗組員であったエリザベス・ショウの認識証が残され、他にも彼女が船内にいた痕跡があった。

同時期、オラムたちとは別に生物の調査をしていた班の一人レドワードが、休憩中に耳から異分子を取り込んでしまった。
レドワードはすぐに体調に異変を来たし、班のメンバーは探査艇に戻った。
しかし時すでに遅く、レドワードを寄生主として育った小さなエイリアンが、彼の体を食い破って外に出てきた。
一方、オラムたちの班のハレットも、レドワードと同じ異分子を取り込んでエイリアンに寄生されてしまう。
レドワードの隊から連絡を受けオラムたちは探査艇に戻るが、パニックになったほかのメンバーが銃を乱射したため探査艇は爆発してしまった。

オラムたちが母船に連絡を取ろうとしている間に、惑星は夜を迎えていた。
そしてハレットに寄生していたエイリアンも、彼の体を食い破って外に出てくる。
俊足に動くエイリアンに襲われて仲間が犠牲になり、絶体絶命となった時、照明弾でエイリアンを追い払う者が現れた。
エリザベスと共にプロメテウス号に乗船していたアンドロイド、デヴィットだった。
デヴィットはオラムたちを、彼が拠点としている研究所に案内した。

デヴィットは同型のアンドロイドであるウォルターを「兄弟」と呼び、彼にこれまでの経緯を打ち明けた。
デヴィットによると、エリザベスはこの惑星に着陸するときの事故で死亡、彼女を埋葬した後10年間、人類の限界と新たな命の研究をしており、ウォルターにも協力するように誘いかけてきた。
デヴィットの言動に不審を感じたウォルターは協力を拒否、するとデヴィットはウォルターを停止させてしまった。

その間、オラムたちは再び母船との交信を試みていた。
しかし強いイオン嵐のためまったく連絡が取れない。
そうこうしているうちに、メンバーの一人がエイリアンに襲われてしまう。
その現場を見たデヴィットは、エイリアンを手なづけようとした。
さらにデヴィットの後ろからその光景を見ていたオラムは、デヴィットの背後からエイリアンを射殺する。
デヴィットはオラムに、エイリアンは自分が作った「完全な生命体」である事を説明する。
そしてオラムを、フェイスハガーの卵が培養されている地下に案内した。

エイリアンがどうして誕生したのか、その謎が解明される映画だ。
前作の「プロメテウス」もエイリアンの誕生を予感させるラストシーンであったが、創造主といわれるエンジニアがどうやって人類を創世したかはイマイチはっきりしなかった。
そして今回も、その部分ははっきりしない。

この映画に最初に登場するエイリアンは胞子状の形態で、寄生主に宿った後さまざまな形態に変体する。
それが、デヴィットによって「完全なる生命体」に進化したのだ。
ほとんどネタバレに近いのだが、予告編を観ただけでこのあたりまではわかってしまうので問題ないだろう。

ではこの映画の見所はどこかと言うと、エイリアンを創世したデヴィットの狂気と、いつもながらのエイリアンVS人間のバトルシーンである。
デヴィットの狂気はかなり迫力がある。
プログラミングされたアンドロイドがこんな行動を取るのかという疑問も残るのだが、ウォルターと二役のマイケル・ファスベンダーが非常にいい演技をしている。
しかしバトルシーンは迫力はあるが、だいたいセオリー化しているので正直既視感が強い。
さらに、すでに続編の構想も発表されているが、ラストシーンも続編を匂わせる形となっていてややモヤモヤ感が残る。
バトルシーンの既視感に加え、このラストシーンのモヤモヤ感も、この作品があまり話題になっていない要因かもしれない。



110.エイリアン:コヴェナント


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